1991-92シーズン、最終節を前に首位に立つレアル・マドリーと勝ち点差1でつけるバルセロナ。1992年6月7日に行われた最終節、レアル・マドリーはアウェイにおいて2点のリードから連続3失点でテネリフェにまさかの逆転負けを喫し、バルセロナはカンプ・ノウでアスレティック・ビルバオを2-0で下し、優勝はバルセロナのもとに転がり込み、“テネリフェの奇跡”と呼ばれる奇跡が起きた。

 翌1992-93シーズンも前シーズンと状況は同じ。首位を行くレアル・マドリーに勝ち点1差で追走するバルセロナ。1993年6月20日、レアル・マドリーはアウェイでテネリフェと、バルセロナはカンプ・ノウでレアル・ソシエダと、それぞれ優勝をかけた戦いが行われた。。レアル・マドリーは2-0でまたしてもテネリフェに敗れ、バルセロナは1-0でレアル・ソシエダを下し、バルセロナの奇跡の2年連続最終節逆転優勝が決まった。

 そして今シーズン。バルセロナはレアル・マドリーと勝ち点で並ぶものの直接対決の結果でレアル・マドリーが首位に立ち、バルセロナが追走。最終節の90分でこれまで37試合行われていたリーガの頂点に立つチームが決まることになる。1991-92シーズン、1992-93シーズンに似た状況だ。

 元バルセロナの選手たちは、当然バルセロナに優勝して欲しいと思ってはいるが、“テネリフェの奇跡”がバルセロナに起きる可能性は少ないと見ている。

「レアル・マドリーはホームで試合をする。あの2シーズンはテネリフェで試合が行われた」と今回はサンティアゴ・ベルナベウで行われるという大きな違いを指摘したピッツィ。フェレールも「リーガタイトルは終盤の試合で失われたのではない」と今シーズンのバルセロナの不安定な戦いぶりを指摘。ピッチ・アロンソは、「レアル・マドリーはチャンスを逃さないだろう。確率的に言ってもレアル・マドリーがかなり有利だ」とコメントしている。

 優勝に向けて、まずはナスティックに勝ち、あとは奇跡を願うしかないバルセロナ。1992-93、1992-93シーズンと2年連続で起きた“テネリフェの奇跡”は再び起きるのだろうか?リーガ最終章はどのような結末が用意されているのだろうか、17日にすべてがはっきりする。

(スペイン通信)