「本っ当に運が良かった」広瀬章人九段が王座挑戦!“絶対王者”藤井聡太六冠に大逆転勝利 前日には「子どもとケンカした」パパの顔も

将棋の第74期王座戦挑戦者決定戦が8月5日、東京・千駄ケ谷の「将棋会館」で行われ、先手の広瀬章人九段(39)が藤井聡太竜王・名人(王位、棋聖、棋王、王将、24)に逆転勝利を収め、伊藤匠王座(叡王、23)への挑戦権を獲得した。終局後の記者会見では、絶対王者を破った激闘を振り返りつつ、愛息との微笑ましいエピソードも披露し、ファンを沸かせた。
相掛かりの力戦から、最終盤で藤井竜王・名人の隙を突いての劇的な大逆転勝利。死闘を制した広瀬九段は「藤井さん相手ということで、正直厳しい戦いになるなと思ってはいたんですけど、本っ当に運がよく、最終盤競り勝てて挑戦することができました」と安堵の表情を浮かべた。
昨今の将棋界は、伊藤王座や藤井竜王・名人など20代前半の若手棋士がタイトル戦線を席巻している。この状況について問われると、広瀬九段は「時の流れといいましょうか、やっぱり基本的には年長者はなかなかタイトル戦に出るのが難しくなる時代だと思っています」と率直な思いを吐露。「そんな中で、もうすぐ40歳になる自分がタイトル戦に出ることは目新しいといいましょうか。最近は20代、30代前半の棋士がタイトル戦に出る人が多い中で、新しい風を吹くことができればなとは思います」と、百戦錬磨のベテランとしての静かな闘志をのぞかせた。

自身初となる王座獲得へ向けて、来月には伊藤王座との五番勝負が幕を開ける。23歳の若き覇者については、「研究が深くて、終盤も強い棋士」と高く評価し、「本局の藤井さんもそうですけど、やっぱりタイトルを獲るにはこういった方たちに勝たないといけないっていうのがやっぱりありますね」と、改めて最高峰の舞台へ挑む覚悟を口にした。
広瀬九段にとって、タイトル戦への登場は2022年度の第35期竜王戦七番勝負以来、約4年ぶりとなる。現在5歳となった愛息にどんな姿を見せたいかという質問が飛ぶと、「昨日子どもとケンカしたばかりなので、子どもがどう思っているかわかりませんけれども」と笑いを誘う場面も。「やっぱりタイトル戦という舞台になると、世間もそうですし、家庭内でも注目度が上がると思います。ただでさえ家を回すのが大変なところにタイトル戦なので、家族には迷惑かけることは決まってるんですけど、なんとかいい結果を出せるようにしたいです」と、トップ棋士から一転、家族を思いやる「パパの顔」を見せた。
この飾らない人柄に、ABEMAの中継を見守っていた視聴者もほっこりした様子でコメント欄が賑わった。「なんでケンカしたんw」「子どもとケンカw」「家庭内の注目度w」といった愛のあるツッコミのほか、「自慢できるね」「いいパパだわ」といった称賛の声が続出。「広瀬先生のお子さんに、パパめっちゃすごいんだぞって言ってあげたい」「こんなに将棋強いパパなのに」など、盤上の鬼気迫る勝負師の姿と家庭でのギャップに魅了されたファンの温かい声が多数寄せられていた。

若手が台頭する現代将棋界に「新しい風」を吹かせるべく、広瀬九段が伊藤王座に挑む注目の五番勝負第1局は、来月2日に神奈川県秦野市の「元湯陣屋」で幕を開ける。
