アーセナルのアーセン・ベンゲル監督が、来シーズン以降の去就についてコメント。少なくとも、2007-08シーズンはアーセナルに留まることを明言した。

 ベンゲルの去就が取り沙汰されるきっかけとなったのは、今年4月に発表されたデイビッド・デイン副会長の退団。デイン氏と言えば、ベンゲルをアーセナルに招聘した張本人であり、ベンゲルとはプライベートでも親しい友人関係を築いていた。しかし、アーセナル買収に乗り出した米国人富豪スタン・クロエンケ氏の扱いを巡ってクラブ首脳陣と対立したデイン氏は、クラブを追われる形で退団した。この結果、クラブ側に不信感を抱いたベンゲルがアーセナルを退団するとの憶測が英国メディアで囁かれ始めていた。

 しかし、自らの去就について口を開いたベンゲルは、残り1年間となったアーセナルとの契約を全うすることを確約。ただし、その後の去就については、いまだ不透明なままのようだ。

「クラブとの契約は1年間残っており、その契約を全うするつもりだ。これまでのキャリアで、契約期間の途中に退団したことはないからね。それ以降のことは、来年の夏にクラブの首脳陣と話し合ってから決めることになる」

 一方ベンゲルは、プレミアリーグを4位で終えるなど、2006-07シーズンを無冠で終えたチームについて、「来シーズンはより上位を狙える」と若手の成長に自信を覗かせた。

「シーズンを4位で終えたからと言って、パニックになる必要はない。3位のリバプールとは勝点で並んでいたし、我々は若いチームだ。彼らは来シーズンもさらに成長するはずだ。戦力補強については、スペシャルな選手がいれば獲得を考えるが、それ以外であれば必要ない」

 デイン氏の退団については、ベンゲルのみならず、FWティエリ・アンリにもショックを受けており、その影響からか、このエースには再びバルセロナ移籍の可能性が浮上している。副会長の退団で、長年クラブの根幹を支えたベンゲルとアンリの信頼を失いつつあるアーセナル。ベンゲルの契約最終年となる2007-08シーズンの結果次第では、アーセナルに大変革の波が訪れる可能性もある。