自民党の憲法改正実現本部長を務める中曽根弘文氏による、皇位継承をめぐる愛子さまへの発言が波紋を広げている。

【映像】物議を醸した中曽根氏の“問題発言”

 ニュース番組『わたしとニュース』では、中曽根氏の講演会での発言や釈明、そして各党の反応を交えつつ、選挙ドットコム副編集長の伊藤由佳莉氏とともに、皇族数確保に向けた議論の行方について深掘りした。

■「愛子さまは大変ですよ」中曽根氏の発言と釈明

「マスコミも週刊誌も、愛子さま、愛子さま。愛子さまは素晴らしいし、本当に愛子さまという気持ちがよくわかるんですが、すでに愛子さまはあり得ないんです。愛子さまは大変ですよ。まず愛子さまが天皇陛下になったら、結婚する人もいないですよ。愛子さまも男性のお子さんを産まなきゃならないというすごいプレッシャーもあるわけですね」(中曽根氏、以下同)

 28日に富山県内の講演会でこう発言した中曽根氏。批判が相次ぎ、翌29日に「言葉が適切でなかった点もあったと反省しています」と述べた。

「『愛子さまの天皇はあり得ない』という話ですが、現在の皇室典範では皇位は皇統に属する男系男子と決まっている。『あり得ない』という言葉は良くなかったと思いますが、そういうことを発言しました。皇統を継ぐためにお子様をもうけなければならない大きな精神的重圧、そういうものが生じるのではないかと。非常にそういった意味ではお気の毒というか、今から天皇陛下にもなられていないのに。ただ、お子様と言うべきところを男性のお子さんと言い間違えた、そこは訂正したい」

■「直ちに撤回すべき」野党からの反発と識者の見方

 この発言に対し、野党からは厳しい声が上がっている。

「論評に値しないような発言だった。これは直ちに撤回すべき」(中道改革連合・重徳和彦国対委員長)

「昨日の発言は本当にあり得ない発言。これは愛子さまだけではなく、養子縁組した場合でも、そのご家庭が男子を産めというプレッシャーがかかる」(日本共産党・小池晃書記局長)

 こうした中曽根氏の一連の発言と釈明について、伊藤氏は次のように見方を示した。

「発言というのは、内容とどのように話したかを両方見る必要がある。文字で見ると『大きなお世話』と思ってしまう内容だったが、音声で聞いてみると至極真面目に話しているという気もした」(伊藤氏、以下同)

「また、釈明についても、一部訂正はしたものの撤回まではしていない。そこは中曽根議員の考えなのかなと思っている」

「過去の政治家の方も講演会の場などで、いわゆるリップサービス的なものであったり、心の内を語る発言が波紋を呼ぶケースは多々あった。空気感を読み切れないところでリップサービスが波紋を呼んでしまうというケースの一つの例になったと思う」

■皇族数確保の議論と各党の思惑

 一方、国会では皇族数の確保について、立法府の総意取りまとめに向けた議論が進んでいる。6月10日に示された「女性皇族が結婚後も皇室に残る案」「旧宮家の男系男子を養子に迎える案」の2つの案に対し、日本維新の会は「現在の女性皇族に限定する」「養子の対象を15歳以上とする年齢制限には反対」と主張し、反発した。

 この動きについて伊藤氏は次のように分析する。

「今回の維新の動きに関しては、譲れない一線を最後に示しているのではないか。維新としては、連立与党の中でも、自分たちが求めてきた議員定数削減などがなかなか日の目を見るチャンスがなく、見通しが立たない中での最後の訴え。譲れないところは言うという姿勢なのでは」

(『わたしとニュース』より)