「擁護する点が見当たらない」強すぎるドジャースに歯止めを 米記者が後払い契約を疑問視「オオタニの契約は野球界が抱える問題の原因」

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大谷の結んだ契約に対して、まさかの異論が飛んだ(C)Getty Images

 今年もドジャースは強い。現地時間4月5日のナショナルズ戦(8-6)を終えた時点で、9試合して7勝2敗と、ナ・リーグ球団史上初となるワールドシリーズ3連覇に向けた勝負のシーズンを順調に滑り出した。

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 もっとも、彼らの強さは「必然の結果」という声もある。今オフもストーブリーグでの競争を制して、カイル・タッカーとエドウィン・ディアスといった大物を相次いで獲得。投打にスターが居並ぶ最高級戦力を維持している。

 潤沢な資金力を背景に出費を惜しまず、大補強を展開し続けるドジャース。今季も強さを維持し続けていることで、一部メディアやファンの間で「野球界を壊している」と忌み嫌われている。年俸総額が全30球団で断トツトップの4億1730万ドル(約658億円)となり、基準値超過となった際に課される「ぜいたく税」も1億6940万ドル(約267億円)で確定。球団間の大きな格差を生み、戦力の不均衡を嫌う人たちは少なくないのである。

 そんな彼らの補強戦略の特徴として挙げられるのが、後払い契約だ。23年12月に10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)のメガディールを締結した大谷翔平は、全体の97%に当たる6億8000万ドル(約986億円)を7年後に支払うスキームとなっている。

 無論、現在のルール上で問題はない。だが、資金力を持つチームの後払いを問題視する声は上がり続けている。米スポーツ専門局『ESPN』の元記者であるリッチ・アイゼン氏のポッドキャスト番組「The Rich Eisen Show」に出演したベースボールライターのケン・ダビドオフ氏は、「彼らのやり方は野球界に劇的な影響をもたらしている」と疑問を投げかけた。

「とくにショウヘイ・オオタニの契約は今の野球界が抱える問題の解決策であり、原因でもあると言える。彼自体は野球界にとってまさにダイナモだ。素晴らしい存在だよ。だが、彼らが後払い契約に合意したことで、ドジャースは帝国を築いたわけだ。もちろん、後払いをしているのは彼だけじゃない。でも、収益性が図抜けている彼の影響力はあまりにも大きい」

 さらに2026年12月で現行契約が終わる労使協定において後払い契約に何らかの歯止めがかかると推察したダビドオフ氏は「原則として擁護する点が見当たらない。サラリーキャップ制に比べてれば、比較的になくす方法も見つけやすい」と指摘。「次から排除すればいい」と断言した。

「オオタニをはじめとする既存の後払い契約は認める。その上で今後はもうダメだとすればいいんだ。野球は素晴らしい状態にある。自由市場や資本主義的な考え方も理解ができる。だけど、ブリュワーズのようなスモールマーケット球団が、今以上にドジャースに食らいついていくためには何かが必要なんだ。それは経済システムの変化だ。後払いをなくせば、ぜいたく税の制度も機能していくはずだからね」

 後払い契約を利用している球団はドジャースだけではない。そうした中で“諸悪の根源”のように彼らが語られるのは、市場での図抜けた存在がゆえ、か。

 いずれにしても、彼らが強くあり続ける限り、批判は避けられないだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]