イタリア代表のマルコ・マテラッツィ(インテル)がW杯の決勝後、初めてフランスのテレビ局の独占インタビューに応じた。

 インタビューはミラノで収録され、17日にペイテレビ局カナルプリュスのサッカー番組「レキップ・ド・ディマンシュ」(毎週日曜夜)で放映された。

 ジダンの退場を招いた“頭突き事件”については、「苦渋を味わった」と終始神妙な態度で語り、「彼(ジダン)も僕も『政治的な道具』に使われた」とコメントした。“事件”後に出版した本が当のジダンをはじめフランスで批判されたことに対しては、「議論に油を注ぐだけ、と最初は断った。でも僕が関わっても関わらなくてもこの手の本は出る、と説得され」、収入を恵まれない子供たちに寄付するという形で応じたという。「自分で書いたのは前書きだけ」だったことも明かした。

「ジダンの頭が怖かったのは、あの直前のヘディングシュート(ゴールキーパーのブッフォンが好セーブ)のときだけ」と語るマテラッツィ。お互い“事件”のことを忘れて会うことに「まったく問題はない」と繰り返しアピールした。

 インタビュー後、スタジオにコメンテーターとして出演していた元フランス代表のリザラズ氏は、司会者に「荒くれ者のイメージと違って、なかなか知的な発言でしたね」と向けられると、「あの試合だけでなく、彼はピッチ上ではつねに『挑発者』。言葉は言葉でしかない」と厳しい表情で返した。

 しかし、そのリザラズ氏も、その日の試合(メッシーナ戦)でマテラッツィが見せたオーバーヘッドシュートの映像を見たときには、「こういうプレーをする選手なら愛せる」と笑顔を見せた。フランス人の『マテラッツィ・アレルギー』を解消するのはなかなか大変なようだ。

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