【将棋・竜王戦】誘致成功のワケは会場施設から見える『山』!藤井七冠も「竜王山を見てリラックスして…」とコメント バスツアーや勝負めしメニューブックで大盛り上がり 大阪・茨木市

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 大阪府茨木市で開かれている将棋の竜王戦。会場誘致に成功した理由はある“山”でした。

 11月15日から茨木市で2日間にわたり行われる、将棋の竜王戦七番勝負・第4局。現・藤井聡太・七冠が佐々木勇気・八段の挑戦を受けています。

 14日に行われた前夜祭で藤井七冠は次のようにコメント。

 (藤井聡太七冠)「シリーズの中盤戦の重要な1局。2日間しっかり集中して、たまに竜王山の景色を見てリラックスもして、熱戦にできるように精いっぱい頑張りたいと思っています」

 勝負も“山”場を迎え盛り上がる竜王戦。今回初めて茨木市がこの竜王戦誘致に成功した決め手も“山”でした。

 去年11月に市役所前に完成した子育て複合施設「おにクル」。竜王戦が行われるということで、大きな垂れ幕が設置されています。

 民話に出てくる怖い鬼「茨木童子」も、楽しそうで思わず来てしまう場所を目指した、市民の憩いの場です。今回、対局の会場となる7階から見えるのが…

 (茨木市・文化振興課 松本直子さん)「あちらの方に見えるちょっと小高い山なんですけど、『竜王山』という山になっております。まさしく竜王戦の竜王と同じ漢字になっております」

 「竜王山を見ながら竜王戦を」藤井七冠にあやかって地域の活性化につなげたい茨木市は、3年かけて日本将棋連盟に思いを伝え、今回、ようやく誘致が実現しました。

 3年越しで願いがかなった竜王戦。さっそく市が企画したのは、対局当日の15日、竜王山周辺を巡るバスツアー!

 (参加者)「基本は(藤井七冠の)竜王戦の応援なんですけど」
 (参加者)「竜王戦の応援で竜王山って縁起がいいので参加させてもらおうと。私たち(藤井七冠の応援に)行く側としては、新しい所に連れて行ってもらえる方がうれしいので、いろんな所が招致してくれたら楽しみ」

 20人の定員はすぐに満席に。参加者にも好評だったそうで…

 (茨木市文化振興財団 安芸しのぶさん)「予想の倍以上の方に予約をいただいて抽選にさせていただきました。これを機に、高槻市が将棋の町ですけど、茨木市にも(将棋の盛り上がりが)広がっていけばいいなと思います」

 そして、気になるのが「勝負めし」。市は「竜王戦にふさわしいメニュー」を集めたメニューブックを作りました。

 メニューが掲載された店の1つ、創業約40年の「福すし・森」。今回のために用意したメニューが、茨木市の市の花、薔薇をモチーフにしたまぐろ丼『薔薇すし』です。

 (山崎香佳アナ)「うわ〜、きれいに!まぐろが薔薇の形になっていますね!外側は赤身だと思うんですが、中心部分ってもしかして…」
 (「福すし・森」大将・森薫さん)「トロでございます」
 (山崎アナ)「トロがのっている!贅沢な丼ですね」

 そのお味は…

 (山崎アナ)「おいしい!濃厚なんですけども、食べているとさっぱり感もある。まぐろのうまみというのをより強く感じます。これを食べたらどんな勝負でも負けないんじゃないかなというくらいのエネルギーを摂取することができますね」

 この薔薇すしは15日、佐々木八段のランチに見事、選ばれました。

 (山崎アナ)「おめでとうございます!聞いた時のお気持ちは?」
 (大将・森薫さん)「大変光栄に思っておりますし、丁寧にお作りしないといけないなという気持ちでございます」

 もちろん、お店でも同じメニューを食べることができるので、これもまた茨木市を訪れるひとつのきっかけになるかもしれません!

 メニューブックに載ったことですでに影響が出始めているお店も。スイーツが掲載された「創作和菓子SENSE」では…

 (「創作和菓子SENSE」店主・切畑屋喜大さん)「メニューに載ったということで、将棋好きの方が来てくれたり、今まで来てなかった初めてという方も来て下さったりして」
 (山崎アナ)「売れ行きはどうですか?」
 (店主・切畑家喜大さん)「今ある中でも一番売れてるんじゃないかなというくらい」

 注目の対局は16日の夜に決着する見通しですが、茨木市の竜王戦フィーバーは、まだ続きそうです。