G1初制覇へ向け、藤岡佑を背に追い切るアルナシーム=撮影・石湯恒介

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 「マイルCS・G1」(17日、京都)

 G1初制覇へ、アルナシームが最終リハに臨み、栗東CWでラスト1F11秒8の切れ味を披露した。前走の富士Sでは6着に終わったが、今回の舞台となる京都はここまで全6勝をマークする右回り。勝てばグラスワンダーから続く父子4代のJRA・G1制覇も達成となるが、遅咲きの期待馬が秋の淀で偉大な血を開花させられるか。

 富士S6着からの巻き返しを狙うアルナシームは栗東CWへ。初コンビを組む藤岡佑が騎乗し、向正面からスタートすると、軽快にスピードアップして全体時計は6F84秒6。ラスト1F11秒8と上々の切れ味を見せて最終追いを済ませた。

 「先週とはメリハリをつけて、全体時計を遅くしてしまいを伸ばしました。(前走まで騎乗の)典さん(横山典)に話を聞きながら先週、今週の追い切りを。うまく調整してくださっていましたね。スムーズにコンタクトは取れていますし、折り合い面も動きも特に問題ないですよ」。鞍上は感触の良さを明かした。

 朝日杯FSで4着。掲示板に入ったドウデュース、セリフォス、ダノンスコーピオン、ジオグリフはG1馬に成長した。アルナシームも2走前の中京記念で重賞初制覇。課題の折り合いに苦しみながらも白星を積んできた素質馬だ。

 前走の富士Sは休み明けに加えて得意とは言えない左回りだった。「条件は好転しますからね。右回りの方が手前変えがスムーズ。それに状態面も前走より明らかにいい。馬場は渋っても大丈夫なので」と、橋口師は白星6勝全てを挙げる右回りでの激走を願った。

 父は15年のマイルCSを制したモーリス。ここを勝てば父子制覇どころか、祖父スクリーンヒーロー、曽祖父グラスワンダーと続く父子4代のJRA・G1制覇となる。受け継がれる偉大な血を味方に、ビッグタイトルに挑む。