スポニチ

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 混戦ムードのマイルCS。追い切りのトリを務めたのは一撃の可能性を秘めるアルナシームだ。横山典がマテンロウスカイに騎乗するため、新たにコンビを組む藤岡を背にCWコースでハツラツとした動きを見せた。6F84秒6〜1F11秒8。躍動感があり、折り合いも問題なし。気性的な成長も感じられる。2週連続手綱を取ったことで鞍上も理解度を深めた。動きを確認した橋口師が満足げに切り出した。

 「動きは良かったと思います。折り合いもバッチリ。(6F)84秒台の(ラスト1F)11秒台を予定していたので予定通りです。前半しっかり我慢できて、残り100メートルまで集中して走れていた」

 横山典とのタッグで今夏、中京記念で待望の重賞制覇。一歩ずつ確実に歩を進めてきた。富士S6着で休み明けを叩き、結果を出している右回りへの起用。21年朝日杯FS4着以来、3年ぶりに迎えるG1舞台に指揮官は感慨深げだ。

 「いろいろな条件が好転しますからね。状態に関しては明らかに上向き。G1でどれだけやれるかですが、あの朝日杯FSで掲示板に載った馬でG1を勝ってないのは、うちの馬だけですからね」

 自嘲気味に話すが、確かにあの朝日杯FSは超の付くハイレベルだった。勝ち馬ドウデュースは翌年ダービー馬となり、4年連続G1制覇。2着セリフォスはマイルCS、3着ダノンスコーピオンはNHKマイルC、5着ジオグリフは皐月賞を制した。その中で出遅れながら4着に食い込んだアルナシームの能力は再認識すべきだ。

 大器晩成。歩みは遅いが築き上げてきた。待望のG1タイトルは目の前にある。