THE RAMPAGE ソロインタビュー Vol.5:長谷川慎 苦手を乗り越えて叶えた夢「人生何があるかわからない」
2024年に結成10周年を迎え、ドーム公演『THE RAMPAGE LIMITED LIVE 2024 *p(R)ojectR® at TOKYO DOME』を大成功に終えたばかりのTHE RAMPAGE。16人によるEXILE TRIBE屈指のダイナミックなパフォーマンスの人気は海を越え、アジアでの公演も増えてきた今、リアルサウンドではTHE RAMPAGEメンバーへのリレーインタビューを企画。アニバーサリーを迎えた活動への素直な心境、メンバーとの思い出などを語ってもらった。第5回となる今回は、パフォーマーの長谷川慎が登場する。(編集部)
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「不利な状況ですら、一致団結してポジティブなエネルギーに変えられる」
――THE RAMPAGEは結成10周年を迎えました。グループとして強く成長・進化を感じた瞬間はどんな時でしょうか。
長谷川慎(以下、長谷川):成長は常に感じていますが、やっぱり自分たちで作ってきたものを発信して、ファンの方に評価してもらえたタイミングが大きいですね。一番強く感じられるのはツアーです。1回のツアーで大体25公演ほど回るんですが、毎回のライブで成長を積み重ねていくのでファイナルはすごく達成感があります。特にこの前の東京ドーム(『THE RAMPAGE LIMITED LIVE 2024 *p(R)ojectR at TOKYO DOME』)は、「成功させたい」という漠然とした思いだけじゃなかなか成功させられないライブだったので、その前にツアー(『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2024 "CyberHelix" RX-16』)を回って成長して、確かな自信をつけられたからこそ成し遂げられたと思っています。
――10年間で、個人としての成長や変化を感じた瞬間も教えてください。
長谷川:今年はTHE RAMPAGEにとって一番忙しい年になったと思いますが、個人としてもすごく成長を感じています。THE RAMPAGEの活動を充実させることは当然大切ですが、それだけじゃグループも広がっていかないと思うし、「もし踊れなくなった時、自分には何が残るんだろう」と考えることもあるんです。それでダンス以外の武器がほしいと思って始めたのが、お芝居でした。今年は初めてドラマで主演を務めさせてもらったり(MBS/TBSドラマイズム『恋をするなら二度目が上等』)、一番多くの作品に出演させてもらえた年でもあります。あとは僕がディレクションをさせてもらっているTHE RAMPAGEのアパレルブランド『*p(R)ojectR®』が本格的に動き始めたので、外部のアーティストの方とコラボしたアイテムを出させてもらったりと、自分が思い描いていた通りの動き方ができた年になっているなと思います。
――10年間で、特に印象に残っているライブを教えてください。
長谷川:去年出演させてもらった、タイのフェス『OCTOPOP 2023』です。大豪雨が直撃してしまった野外ライブで、もう全身ビシャビシャになりながらパフォーマンスしました(笑)。ステージも水浸しで滑るので、どうしても本気で踊れないのが悔しくて。でも不完全燃焼で終わるのは絶対に嫌だと全員思っていたので、「ぶっかまそうぜ!」っていう目に見えないメンバーの熱い気持ちを、全部タイに放出できたんじゃないかなと。普段のライブとは違う感情になれた、まさに特別なライブでしたね。こういう不利な状況ですらも、僕らだったら一致団結してポジティブなエネルギーに変えられるんだなと再認識できた点でも、すごくいい思い出になりました。
――10年の活動の中で、特に変化・成長したなと思うメンバーとその理由を教えてください。
長谷川:龍かな。龍とは同い年で、グループ最年少組なんですけど、結成当時から「自分はグループのために何ができるのか」ってお互い悩んでたんです。なかなかグループの中で光れないというか。実際、龍が年長組のメンバーに熱い気持ちをぶつけている場面も見てきました。でも、いつからか自分の居場所や武器を見つけて輝き出して、龍が自分のためにやってたことがグループのためになってきているんです。トラックメイカーとして音楽を作ったり、いろいろな人と出会って人としての幅を広げていったり。パフォーマンスもすごく良くなったし、アーティストとしての成長を近くで強く感じてます。
――この10年の活動で、最も驚いたことは何でしょうか。
長谷川:やっぱり東京ドームに立てたことですね。僕、実は小さい頃は人前に立つことが嫌いで、幼稚園の運動会のダンスとか踊れないタイプだったんですよ(笑)。でもEXILEが好きなお母さんの影響で始めたダンスで、2回目の東京ドームに立てて。ショッピングモールでのフリーライブとか武者修行とか、いろいろな経験を経て辿り着いたドームのステージでお客さんを目の前にした時は、「人生、本当に何があるかわからないな」と改めて感じました。これからもっといろいろな夢を叶えていきたいなって思えた瞬間でしたね。
――2024年現在の気分で、特に思い入れの深いTHE RAMPAGEの1曲を教えてください。
長谷川:「Dream On」です。これは元々FANTASTICSのボーカルを決めるオーディション(『VOCAL BATTLE AUDITION5』)の課題曲として、THE RAMPAGEがデモで歌ってた曲なんですが、当時は僕らもまだデビューしたてぐらいで、楽曲を提供する側に回れたということも感慨深いし、自分もオーディション出身者だからこそ、夢に向かって進む人たちを応援してくれるこの曲がすごく素敵だなと思ってました。もし自分たちの曲になったら絶対振り付けしたいなと思っていたら、実際に念願が叶って振り付けもやらせてもらえて……。東京ドームでは盛り上げ曲みたいな感じで、ダンスはしなかったんですが、それでもいろいろな感情や景色が込み上げてきて、ちょっと泣きそうになりました。
――10周年の先へ進んでいくにあたり、これから目標に掲げていることを教えてください
長谷川:これからTHE RAMPAGEが目指すべき場所は、やっぱりドームツアーです。東京ドームを経験して、次はドームツアーを成し遂げたい、あの景色を全国で見たいという欲が出てきたんですよね。本当にすごい景色だったから忘れられなくて。でも今まで通りに活動していても到底たどり着かない、すごく大きな壁だと思っています。そこで大切なのが、やっぱり個人の活動なのかなと。僕ならお芝居やファッションというフィールドに、THE RAMPAGEを背負って一人で出向いていく。メンバー16人が一人ひとり窓口になって、今いるファンの皆さんを大切にしつつ、新しいファンを迎え入れていけるように力を合わせていけば、スケールはどんどん大きくなると思うんです。もちろん、パフォーマンスのスキルも今で満足しているわけではないので、さらに磨きをかけていきたいと思ってます。
(文=南 明歩)