「エースは24時間営業」ソフトバンク前田悠伍の意識の高さが見えた言葉 秋季キャンプ中、野球ノートに再度記して2年目の来季へ
◆記者コラム・タカ番24時
意識の高さに驚かされた。ソフトバンクの今季のドラフト1位ルーキー前田悠伍だ。休日もあまり外出せず、トレーニングに励むストイックさには頭が下がる。そんな左腕が大切にしているのは大阪桐蔭高時代から書き続けている「野球ノート」だ。
ノートにはコーチ陣から学んだことやそれについて思ったこと、試してみたことなどを書き込み、大事なところには線を引いたり、マークを付けたりしている。練習中は忘れないように携帯電話にメモ。自室に戻ってから時間をかけて丁寧に清書する。その文字の美しさにも驚かされる。
高校の部活の決まりで始めたが「絶対にいつか大事になってくると言われていた」と部活引退後も続けていた。その大切さはプロに入ってから実感している。課題に直面した時に見返すことで、過去にどのような練習や意識で取り組み克服したのかが分かる。
一度、力強く書いた言葉がある。「エースは24時間営業」。入団合意の際に福山龍太郎アマスカウトチーフに言われた。「誰から見てもエースと呼ばれる人は、24時間野球につなげるという意識を持っている」。秋季キャンプ中、気を引き締めるため、もう一度この言葉を書き込んだ。
10月1日、1軍初登板のオリックス戦。3回6失点のほろ苦いデビューが終わった後、ノートには「全然通用しなかった。真っすぐの物足りなさを感じた。克服するにはオフシーズンしかない」とつづった。悔しさを晴らすためのオフは始まっている。
(大橋昂平)