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 ◇ロッテ 佐々木朗希のメジャー挑戦容認

 【記者の目】球団にとって苦渋の決断だったはずだ。今季初の2桁白星を挙げた右腕が去れば、戦力はダウンする。ただ、先日終了した大リーグのGM会議でも話題に上り、米メディアの報道は過熱していた。日本での実働は4年。過去に海を渡った日本投手に比べて実績不足は否めない。一方で22年の史上最年少での完全試合達成など、秘めたポテンシャルはかつてないスケールであることは世界で衆目の一致するところだった。

 周囲の雑音から佐々木を守り、夢を後押しするため、快く送り出そうと発表に至ったことは想像に難くない。2年待てば、佐々木が手にする契約総額も、ロッテへの譲渡金も膨れ上がる。ただ、一日でも早くという右腕の挑戦へのぶれない思いは球団内に強く響いていた。

 これでは日本球団がメジャーの草刈り場になる、と危惧する声は、20年以上も前から変わらない。それが夢を追う23歳の足かせになってはならない。何より最速165キロの剛球で唯一無二の存在として、日本球界を盛り上げた貢献度は十分評価に値する。(特別編集委員・伊藤 幸男)