とんねるず 29年ぶり武道館コンサート サプライズ“アンコール”2時間超「ワンフー、愛してます!」
とんねるずが8、9の両日、東京・日本武道館でコンサートを開催した。同所でライブを行うのは29年ぶりで、コンビで観客の前で歌ったのもその時以来。チケットは即日完売となり、2日間で計1万8000人を動員。「雨の西麻布」「ガラガラヘビがやってくる」などヒット曲を中心に20曲以上を披露した。
ファン層の中心は50代。開演を待ちきれず手拍子をして2人の登場をあおる中、白スーツ姿の石橋貴明(63)と木梨憲武(62)にスポットライトが当たると大歓声が上がった。代表曲「情けねえ」からライブがスタート。金テープが会場に打ち上げられる演出など、冒頭からクライマックスのようなパフォーマンスを披露した。
直後、2人らしいサプライズが待っていた。わずか1曲歌っただけでステージを去り「以上を持ちまして本日のライブを全て終了します」のアナウンス。会場は笑いとアンコールの拍手に包まれた。間もなく黒のスーツ姿に着替えた2人が再登場。石橋が「ただいま、日本武道館!」と声を張り上げ、2時間超の長い“アンコール”がスタートした。
今回のライブで披露する曲目は、石橋が約1年かけて選んだ。一方の木梨は直前まで内容を知らされておらず「勘だけでやりますんで」と話していたが、ステージでは息ぴったりに躍動。石橋がウッドベース、木梨がギターを実際に演奏しているかのように見せるネタでも笑いを誘った。
29年前は30代で若々しかった2人も60代。木梨が「(前日のライブで体が)やられまくっている僕たちを楽しんでくれれば」と水を向ければ、石橋も「ドジャースのトレーナーがいたらな」とぼやいた。時折「疲れたー」と漏らしながら約2時間半、ステージ上で暴れ回った2人。最後は石橋が「ワンフー(ファン)愛してます!」と客席を見渡して感謝し「また何らかの形で会いましょう」と再会を約束した。
ライブの様子はフジテレビの動画配信サービスFODで12月20日に配信される。(吉澤 塁)
≪東京D公演、パン一で紅白 音楽活動でも数々伝説≫
とんねるずは「情けねえ」(1991年、73万枚)、「ガラガラヘビがやってくる」(92年、140万枚)などシングル20作以上をリリース。音楽シーンでも活躍した。
80年のコンビ結成後、81年に音楽活動を開始。アニメ「新・ど根性ガエル」のオープニング曲「ピョン吉・ロックンロール」でデビューした。フジテレビ「オールナイトフジ」に出演していた2人は、同番組に携わっていた秋元康氏が作詞した「一気!」を84年にリリース。「一気!一気!」というサビに合わせ、酒をあおるように飲む「一気飲み」が宴会の定番になった。
バラード曲「雨の西麻布」(85年)は「紅白を狙います」のせりふが話題に。89年には東京ドーム公演を開催し、91年に「情けねえ」でNHK紅白歌合戦に初出場。パンツ一丁で全身を紅白に塗り、背中に「受信料を払おう」と書いて話題になった。
96年以降は「野猿」や「矢島美容室」など別ユニットでの活動が中心に。98年にフジ「とんねるずのみなさんのおかげでした」の番組スタッフと結成した「野猿」は99、00年の紅白に出場した。