あす11月9日は、火事や救急を消防に通報する「119番の日」です。石川県内では、スマートフォンのカメラで現場の状況を映像で消防に共有できる新たなシステムの導入が始まっていますが、いまひとつ市民に浸透していないのが実情です。

指令センター「はい119番消防です、火事ですか救急ですか」

通報者「救急です。急に人が倒れて動かないんです」

指令「その方は意識はありますか通報者:意識はありません火事や急病人を見つけた時など緊急時に消防に助けを求める119番通報。

現場の状況を正確に伝える必要がある一方、指令センターと落ち着いてやりとりをすることや救急隊が到着するまでに適切な処置を行うことは簡単なことではありません。

スマホカメラで映像を消防と共有「Live119」

指令

「それでは今からLive119を使用します。現在こちらで確認しています。こうした中、小松市消防本部が2021年3月から導入しているのが「Live119」です。

通報者の許可を得た上で消防がスマートフォンのショートメッセージ機能でリンクを送ると、通報者がスマホのカメラを使って指令センターと現場を映像で共有できるシステムです。

通報者は現場の状況をより詳しく伝えることができ、消防からも正しい処置のアドバイスを受けることができます。

指令「このリズムに合わせて押してください」

通報者「このリズムに合わせて押してください」

心臓マッサージ係「はい」

指令「救急車もう出ていますよ、もうちょっと頑張って下さい」

小松市消防本部情報指令課 新木秀和 課長

「聴覚要素プラス視覚的要素が入って正確かつ詳細な情報を現場到着する以前、通報時の初動の段階で入手することができる」

81件の活動実績、課題「3割が成功に至らず」

映像は現場に向かう救急隊にもリアルタイムで共有。

移動中にも到着後の活動計画がスムーズに構築できるといいます。

この「Live119」が導入されてからおよそ3年半。

2024年に入ってから81件の活用実績があるものの、ある課題も浮かんできました。

小松市消防本部情報指令課 新木秀和 課長

「依頼をした際、3割が成功に至っていない。途中で断念せざるを得ないというような状況になっている」

「119番の日」に県内初の「Live119」を使った訓練

未だに認知度が低く操作に慣れていない住民が多いことが要因の1つ。ここで、あす11月9日から始まるのが県内初の取り組みとなる「Live119」を使った通報訓練です。

学校や福祉施設、地域の防災訓練などでの活用が想定されていて、実際に指令センターと繋ぐことでより実践に近い形で訓練を行うことが可能となります。

小松市消防本部情報指令課新木秀和課長

「訓練の中で活用していただいて市民の皆様方にもこのLive119というものを認識していただいてぜひ有効活用していただきたいなと思っている」

救命率の向上や被害の軽減につながる「Live119」、仕組みを理解しもしもの時への備えが必要です。