ジェイドグループ(3558、東証グロース)を知ったのは、あえて言えば大リーガー:ドジャースの「大谷翔平効果」だった。

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 日本時間の11月3日、『大谷翔平 史上初「50-50」達成試合で放った第51号球が6533万円で落札 6億円の50号の1/10』(スポーツニッポン)式の見出しが、紙・ネット媒体に踊った。

 周知のとおり二刀流:大谷選手は大リーグの今シリーズで、「ホームラン50/盗塁50超」という偉業を成し遂げた。50号ホームランとなった記念球は米競売会社を介し、台湾の投資会社:UC Capitalが約6億7197万円で落札した。そして50号達成と同じ日に放たれた51号球もオークションにかけられ、約6533万円で落札されたという内容の記事である。

 落札したのが、ジェイドグループ。上場会社であることは「万が一」と思い四季報を繰り、初めて知った。2010年に靴を中心としたファッションモール「ロコンド」の展開で生まれた企業だ。

 まず気になったのは6500万円余の金が「ジェイドグループ」の保有資金から出たものなのか、共同代表として立ち上げに参画した現社長:田中裕輔氏の個人の懐から出たものなのかという疑問だったが・・・

 改めて、ジェイドグループを覗き込んでみた。前記の様に「ロコンド」が主軸。送られてきた品物を「自宅で試着」し基本的にはサイズ交換等の場合、送料無料で返品が特徴。

 また「リーボック」「マガシーク」サイトを展開している。前者は伊藤忠商事のベンチャー子会社とタッグを組み手にした、フィットネス分野のコラボスニーカー等々で知られる独企業のブランド。後者はやはりM&Aで傘下に入れたファッションメーカー。

 前2024年2月期は「27.6%増収(133億5600万円)、70.0%営業増益(16億8500万円)」という状況だが、田中社長のこんな発言に接しロコンド発足時の腐心を知り感じ入った。

 「ロコンドは損益分岐点が取扱高100億円という、非常に参入障壁が高いサービス。どんな企業も二の足を踏んでいた。当社も幾度となく財務危機に陥った。それをなんとか乗り越えて2016年に6年目に黒字化に漕ぎ着けた。ブランド企業の在庫回転率を高めながら当社の売上を高めるために、自社運営の複数のECモールの販売に加えブランド企業の店舗・卸し、他社のECモールとも共有し在庫を一元化する施策を執った」

 また田中氏は「落札した記念球が届いたら東京・渋谷、大阪・心斎橋で展示会を行う。51号ホームランボールは会社の資産で購入した」としている。

 時価は1700円台前半。3月高値2828円から4月安値1251円まで整理され、緩やかな戻り基調。さて・・・