【郷ひろみさんインタビュー・前編】スターな名言連発!「普通のことをずっと続ければ“特別”になるんです」

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歌手・郷ひろみさんにインタビューしてきました!世代を超えて愛されるヒット曲の数々を世に出してきた郷さんは、デビューから52年目の今年、通算110枚目のシングル『できるだけ、』をリリース。”初めて歌うジャンル”という新曲に込めた思いから、人生に影響を与えた出来事、プライベートな話題までたっぷりお話を伺いましたよ♪終始名言が飛び出しっぱなしだったので、前編・後編の増量版でお届けします!

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――郷さんは1972年8月に『男の子女の子』で歌手デビューされて以来、第一線で活躍を続け、今年の6月には通算110枚目となるシングル『できるだけ、』をリリースされました。

歌手デビューして来年で53年になります。『よろしく哀愁』や『ハリウッド・スキャンダル』、『2億4千万の瞳』『哀愁のカサブランカ』、そして『僕がどんなに君を好きか、君は知らない』『言えないよ』『逢いたくてしかたない』のバラード3部作、『GOLDFINGER99』など思い出深い曲をたくさん歌わせていただいてきましたが、『できるだけ、』は僕がこれまで歌っていなかったジャンルなんです。

――震災に豪雨、そして戦争など、日本だけでなく世界中で暗いニュースが多い中、「できるだけ灯しあおう」「できるだけ笑いあいたい」という歌詞が心に沁みました。

”僕はここにいるよ”とやさしく寄り添う歌になっています。争い事はできるだけ避けたいと思っていても、世界に目を向けるとそうじゃないところもあるし、僕たちの目に見えないところでも多くの方たちが助けを求めているのかなと思うんです。だから、そういう苦しい中で”できるだけ”明るい日を送ろうという思いを込めて歌わせてもらっています。




”郷ひろみ”に戻ることしか考えていなかった

――順風満帆に見える郷さんの芸能人生ですが、人生のターニングポイントは何ですか?

一番大きな転機は、46歳のときのアメリカ留学かな。今ではアジアのエンターテイメントも、ワールドワイドになってきてますが、当時はまだアメリカに目が向いていたんですよね。50代を迎えるにあたって自分を変えないと、今後、歌手として生き残れないと思ってアメリカ行きを決意しました。

――46歳というと、『GOLDFINGER99』をリリースした後ですか?

そうですね。『GOLDFINGER99』をリリースした3年後だったので、周りからすると追い風が吹いてるように見えていたかもしれません。でも、それに甘んじていたら終わってしまう。仕事から離れる焦りよりも、今足りないものが自分にあるという焦りのほうが大きかったんですね。

留学中も”郷ひろみ”に戻ることしか考えていませんでした。無期限のアメリカ行きだったけど、3年間無駄な日は1日もないくらいレッスンに励みました。

――留学がその後の自信につながったんですね?

帰国後も受け入れてくれる土壌があったのは幸せでした。ごまかしながら50代、60代を生きることはできるけど、ごまかさずに僕は生きたかった。今もこうして歌っているということは、僕のあのときの決断は正しかったんだと思います。

――郷さんは輝き続けるために、何か意識していることはありますか?

輝いてるかどうかは周りが決めてくれることだと思うんですけど、他人と比べることはまずないですね。僕は”郷ひろみだったらどうするか?”ということをいつも考えて行動しています。それだけ。

やった自分とやらなかった自分では、どれくらいの差が生まれるか、それを考えています。たとえば、コンサートのリハーサルで60%やって、あとは本番で100%にするから大丈夫という風には考えません。100%しっかりリハーサルをやって、はじめて本番で120%の力が出せると思っているので。



――自分に厳しいんですね。

僕は普通のことしかやってないですよ(笑)。普通のことをずっと続けていくと、周りはいつか「特別」と言ってくれるようになるんですよね。でも僕は人の3倍やらないと追いつかない。だから人の3倍以上、努力しています。



100%の真似からオリジナリティが生まれる

――郷さんは読書家で、これまで2000冊以上は読んでいらっしゃるそうですね。

小説が好きで、特にサスペンスは推理しながら読めるのがいいですよね。本は2人が同じものを読んでも、浮かんでくる映像が違うじゃないですか。そこが面白いなと思います。

――どんな時に読むんですか?

寝る前が多いかな。「誰が犯人だろう?」って考えて眠れないなんてことはないですよ。僕は眠気が来た!と感じたら、すぐ本を閉じちゃうから(笑)。

――ノートもつけられてるそうですね。どのようなことを書いてらっしゃるんですか?

気になった言葉があったら、抜き出して書き留めておきます。「オリジナリティは完璧なコピーから生まれる」という持論があって、100%真似できたら、そこからオリジナリティが生まれてくると思ってるんです。もちろんそのまま使うことはないけど、自分の中で咀嚼していくと僕なりの言葉が生まれてくるようになるんですよね。だから、ノートに記した言葉は何度も読み返してます。

――読書がご自身の人生に与えた影響は大きいですか?

大きいですね。楽曲と出会ったくらい、本との出会いで変わっていったこともありますし。本って最初から面白い本と、徐々に面白くなっていく本と、最後までつまらない本があるんですよ(笑)。でも、つまらない本でも僕は最後まで読むんです。途中で読むのをやめてしまったら、なぜ面白くなかったかということを伝えられないじゃないですか。それが嫌なんですよね。

――お忙しい日々を送っている郷さんの癒しと言えば、タイニープードルのつぼみちゃんですよね。

つぼみは僕の中でペットという感じがしなくて。もう娘みたいな存在です。今、3歳ですけど、とにかく彼女のためだったらなんでもしてあげられるんです。躾は別ですけど、つぼみが何をしても怒りませんよ。何でも許しちゃいます(笑)。周りから見たら「甘いんじゃないの?」っていうくらい可愛がってます。

【後編】へつづく

【プロフィール】
ごう・ひろみ/1955年、福岡県生まれ。72年NHK大河ドラマで芸能界デビューし、同年8月に歌手デビュー。これまでに110枚のシングルを発表。『紅白歌合戦』には36回と白組最多出場。近年はSNSにも積極的。家でできるトレーニングを紹介する「ボクトレ」も人気。

【音楽情報】
シングル『できるだけ、』

やさしく寄り添う歌声が印象的な郷ひろみ通算110枚目となるシングル。
「いままでぼくが歌っていなかったタイプの楽曲です。世界では戦争があったり、震災があったり、心をえぐられるような出来事がたくさん起きています。ぼくたちの目に見えないところで、多くの人が助けを求めている。そういうなかで、みなさんが温かな気持ちになれる歌を届けたいと思い、心を込めて歌いました」(郷)

ソニー・ミュージックレーベルより、税込1,350円にて発売中