2期連続ドラマ主演(C)日刊ゲンダイ

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《モラハラ夫を見るのがつらいから離脱するかも》――10月17日の初回放送後にはそんな声も上がっていた。松本若菜(40=写真)主演の連ドラ『わたしの宝物』(フジテレビ=木曜夜10時)の話。夫以外の男性との子供を夫の子と偽って産んで育てる「托卵(たくらん)」をテーマに、“大切な宝物”を守るために禁断の決意をした主人公と、その真実に翻弄されていく2人の男性の運命を描く愛憎劇だ。

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 そして視聴者から見続けるのが《つらい》という声が集中したのは、田中圭(40)が演じる夫の「広樹」に対して。家庭内ではとにかく不機嫌で一切笑顔はなく、妻の「美羽」(松本)に罵声を浴びせることも。

「どこかポンコツっぽいけど、笑顔や仕草がとびきりチャーミング。そんな愛らしい《いつもの田中圭》を脳裏に浮かべて初回を視聴した人は、笑顔ゼロの冷淡な顔つき、モラハラ夫っぽい広樹に戸惑いを覚えたようですね。初回離脱を検討する視聴者まで出てしまったということは、これまでとはガラッとイメージが違う顔を見せた田中さんの演技が、それだけうまいということでしょう」(エンタメ誌編集者)

 24日放送の第2話では、美羽に子供が生まれ、自分の子ではないことを知らずに赤ん坊を抱き上げた広樹がただただ号泣。さらに会社で上司や部下とうまくいっていない様子も描かれ、《広樹も広樹でいろいろあるんだね》などと、その人間性に理解を示そうとするコメントもだんだん増え始めている。

「初回の田中さんの演技を見て、《田中圭は次のフェーズに入った》と感じました。いつまでも好感度ある役柄だけに縛られないぞ、という田中さんの役者魂を感じたというか」と、ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏はこう続ける。

「可愛らしさを封印し、次のステップへ踏み出そうとしているんだなと。子供が生まれたことで心が揺さぶられ、今後、広樹の中で何かが変わっていくかもしれない。そうなったときの広樹を田中さんはどう表現するのか。新しい演技が見られそうですから、初回で離脱した人には《もったいないから戻ってきて》と言いたいですね。もともと憂いのある表情が得意だった松本さんのシリアスなお芝居も、とても見応えがあります」

『わたしの宝物』のTVerのお気に入り登録数は30日現在で92万人を超え、100万をうかがう勢いで、秋ドラマの中ではランキングトップ。2位の柳楽優弥(34)主演「ライオンの隠れ家」(TBS=金曜夜10時)を引き離しつつある。そして美羽の子供の実の父親である「冬月」をSnow Manの深澤辰哉(32)が演じており、「それで若い世代の登録数が増えたこともあるでしょうが」と、スポーツ紙芸能担当デスクはこう話す。

「やはり7月期の『西園寺さんは家事をしない』(TBS)から2期連続でドラマ主演という松本さんの女性人気の高さも物語っているのでは。それに深澤さんは俳優が本職というわけでもないし、まだ32歳。松本さん、田中さんの“大人の演技”にどこまで食らいついていけるのか……ドラマの中で、冬月は《大切な人がいる》と同僚に話していたので、出産を知ってから美羽と広樹夫婦の間に割って入って大暴れする展開もあり得ます。今後、深澤さんがどんな深みのある演技を見せてくれるのか、注目ですね」

 プロデューサーのフジテレビ三竿玲子氏は、過去に『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(2014年)、『あなたがしてくれなくても』(2017年)も手がけている。『私のたからもの』も『昼顔』のような社会現象を引き起こすドラマとなるか。とりあえず早い離脱はもったいなさそうだ。

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