ジャバリヤ難民キャンプから避難するパレスチナの人々/Israel Defense Forces

(CNN)パレスチナ自治区ガザ地区北部のジャバリヤ難民キャンプから避難したパレスチナの男性がイスラエル軍に拘束され、衣服を脱がされて何時間にもわたり足止めされていたことがわかった。CNNは当時の写真を入手したほか、目撃者や拘束された人たちから話を聞いた。

写真にはジャバリヤでがれきに囲まれながらしゃがみ込んでいる200人以上の人々が写っている。大半が男性で、その多くはほぼ裸だ。高齢者や目に見えて負傷している人もいる。少なくとも子ども1人も含まれている。

目撃者がCNNに語ったところによると、人々はジャバリヤ難民キャンプを離れようとしてイスラエル軍に拘束された。多くは服を脱ぐよう命じられた後、寒さの中、屋外で何時間も足止めされたという。

人々の疲れ切った顔には、惨めさが浮かんでいる。前の方にいる男性たちは不安そうに真っ直ぐ前を見つめており、後ろの方の男性らは首をのばして何が起こっているのか見ようとしている。

この写真は25日にジャバリヤで撮影された。同地で地上作戦が続く中、イスラエル軍に避難を強制されたため、その地域を離れようとした難民キャンプの住民らが写っている。

写真は最初にイスラエルの通信アプリ「テレグラム」で共有された。誰が撮影したのかは不明だが、写っていた男性数人はCNNに対し、イスラエル兵が撮っていたと語った。

CNNは写真に写っている5人の人物を特定し、話を聞いた。そのうちのひとりの男性によると、年齢や性別を問わず全員が午前11時に同じ場所に集められた。5時間後の午後4時になって女性と子どもたちは立ち去ることを許可された。その際、イスラエル兵は女性らに持ち物をすべて運ぶよう命じたという。

その後、男性たちは服を脱いで下着だけになるように指示され、極寒の中、さらに数時間待機させられた。その間、イスラエル兵は男性たちを侮辱し、笑い、写真を撮ったという。

この人物によると、男性たちはイスラエル軍による検査を受けてから、軍が安全な場所として指定したガザ市へ向かうことを許可され、最終的に大半がガザ市にたどり着いた。

イスラエル軍は写真が捉えた状況についてコメントを拒否したが、ガザでの戦闘作戦の一環として日常的に人々を拘束し、衣服を脱がせて検査していることは認めた。

治安規定により、衣服はすぐには被拘束者に返還されず、「可能」になり次第返還されるという。

武力紛争の規則を定めた一連の国際法であるジュネーブ条約は、拘束者は人道的に扱われなければならないと定めている。この規則は「個人の尊厳を侵害する行為、特に屈辱的で品位を傷つける行為」を明確に禁止している。

国際赤十字社は、被拘束者の衣服を脱がせた上での検査など侵害的検査は「絶対的に必要な場合にのみ行われるべきである」と述べている。