兵役中に軍隊でTikTokライブ?真相不明も韓国で大きな議論になっている理由

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いまだ徴兵制度の残る韓国では、18歳から29歳までの男性に約18〜21カ月間の兵役の義務がある。

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青年期の貴重な2年間を社会から隔離されて、過酷な訓練を受けるのは大変だ。それでも薄給でほとんど自由もない兵役生活は、規則が年々緩やかになっている。

例えば、携帯電話の使用だ。韓国国防部は2020年7月、兵士らが平日の任務後や休日に携帯電話の所持・使用を許可する「携帯電話使用政策」を正式施行した。これによって一般兵士は携帯電話を平日は18〜21時、週末は8時30分〜21時の間に使うことができるようになった。

ただ、新しい取り組みには新しい問題がつきものだ。

10月22日、いくつかのオンラインコミュニティに「リアルタイム陸軍近況」というタイトルと動画をキャプチャした画像が出回った。

共有された画像には、新型の軍服を着た男性がTikTokでライブ配信をしている様子が収められていた。実際に衛兵所で撮影されたものなのか、似せた場所でコスプレ撮影したのかは定かではないが、これが韓国内で大きな波紋を呼んでいる。

(画像=オンラインコミュニティ)問題となったTikTokライブの様子

オンライン上では「軍隊内は機密情報の塊なのに、ライブ配信は一線を越えている」「こういうクズのせいで、兵役に準じている若者全体が批判されることになる」「年々、緩和されてきた規則がまた厳しくなる可能性が…」といった意見が飛び交っている。

翌日の10月23日には、軍関係者が『朝鮮ドットコム』に「論争になった映像の内容が制限的であるため、男性がいる場所が軍部隊かどうか、確実なことがいえない。演出されたセット場なのかも確認が難しい」とだけ話した。

韓国国防部によると、2023年7〜12月に摘発された兵士の携帯電話使用規則違反件数は計617件。主な違反事例は「映像撮影後にSNS公開」(48件)、「セキュリティアプリ任意解除」(87件)、「不法賭博」(35件)、「淫乱写真の撮影やSNS投稿などデジタル性暴力」(3件)となっている。

現代社会においてSNSと完全に離れることは難しいことかもしれない。それでも多くの若者が規律を守っている以上、ルールは守るべきだ。長い年月を経て、緩和されたルールが厳しくなるときは一瞬だ。