不審者が来て「塗装の匂いした?」…名古屋で1週間に約10件 関東の強盗事件前にも同様報告 犯罪グループが“下見”か
名古屋市緑区で「塗装工事でにおいがする」などと言って、住宅を訪問する不審な人物が、この1週間に相次いで確認されました。「塗装工事のにおい」を理由に住宅を訪れる不審な人物は、関東などで相次ぐ闇バイトによる強盗事件の手口と似ていて、警察が注意を呼びかけています。
■名古屋の住宅街で1週間に約10件相次いだ“不審者情報”
10月18日、名古屋市緑区の住宅街の防犯カメラに映っていたのは、住宅の玄関に向かう1人の人物です。
不審人物:
「すみませーん」
住人の女性が玄関を開けると、20代くらいの男性と思われる人物が立っていて、こう話したといいます。
緑区の住人の女性:
「『近所でペンキ塗りの工事をやっていた。そしたら苦情が出ましたので、ご近所に謝罪に回っています。何かにおいはしませんでしたか?』って」
しかし、近所で塗装工事は行われておらず、訪ねてきた人物も具体的な場所は明かしません。そして帰り際に…。
不審人物:
「旦那さんとか息子さんとか、お仕事行っちゃってる?」
緑区の住人の女性:
「いや、一応家にいるよ」
不審人物:
「旦那さんとかに言われたら、『ごめんね』って言っておいて」
男性が家にいるか確かめるための質問だったのでしょうか?
■「塗装のにおいが…」別のカメラにも映っていた同一人物とみられる不審者の決まり文句
別の防犯カメラにも、同じとみられる人物の姿が映っていました。住宅を訪ね回り、あたりをキョロキョロとし、スマートフォンで何かを入力するようなしぐさも確認されました。
そして、住人が家にいると決まって話すことがありました。
緑区の別の住人:
「『ペンキのにおいしませんか?』って、『いやしませんよ』と言ったら、『あーそうですか』ってそのまま帰ったんです」
緑区のまた別の住人:
「『塗装のにおい』って。どこか聞いたら、そこの瓦がどうとか言われたけど、うち直したばかりだから、そしたら『あーしっかりきれいに入っていますわ』って言われたわ」
警察によりますと、塗装工事でにおいがすると住宅を訪問する不審な人物が、この1週間に緑区内でおよそ10件確認されています。
■「においしませんか?」相次ぐ闇バイト強盗事件との“共通点”
この“不審人物”の“不審な行動”は、関東などで相次ぐ闇バイトによる強盗事件とある「共通点」がありました。
10月17日、千葉県市川市の住宅で女性が連れ去られるなどした強盗事件。事件の前、現場付近では…。
近隣住民:
「遊び人風の30歳前後のあんちゃんが、私が出てきたら『変なにおいしませんでしたか?』って言うから」
別の近隣住民:
「『近くで工事をしている者ですけど、塗装工事をしていて、においがくさいと苦情が来ているので、こっちの方にもにおいが漂ってきていないか、一軒一軒回っているんです』って」
やはり「塗装工事でにおいがする」と、住宅を訪ねる人物がいたといいます。
2024年8月以降、関東の1都3県で14件発生した闇バイトによる強盗事件では、同様に事前に情報収集をしていたとみられるケースもあったといいます。
福岡県でも「いつ留守にするのか」などと個人情報を聞き出そうとする男がいました。耳には誰かから指示を受けるためなのか、ワイヤレスイヤホンを付けていました。
■愛知でも広い範囲で不審な訪問者の情報
不審な訪問者は、愛知県内でも後を絶ちません。10月中旬以降、刈谷市、長久手市、豊明市などでも、住宅を訪問し、屋根の修理を執拗に勧める業者などについての相談が警察に相次いでいます。
緑区の住人:
「(強盗犯が)今度はこっちに来ているのかなと思ったりする」
緑区の住人の女性:
「今、事件が多いですよね、関東方面でね。他人事ではないですよね。(愛知でも)起きるんじゃないかって思いますね」
愛知県警は、犯罪グループが下見や情報収集をしている可能性があるとして、注意を呼びかけています。