路面に埋め込むブロック状の舗装材「インターロッキングブロック」。その素材にコンクリート以外の選択肢が提案されています。舗装の機能は果たしつつ、別の機能が生まれるそうです。

よく見かける路面ブロックが別の素材に!?

 千葉県の幕張メッセで2024年10月15日から18日まで行われた「ジャパンモビリティショー(JMS)ビズウィーク2024」では、次世代のクルマやモビリティー以外に、インフラ関連の出展もあり、道路舗装を手掛ける「日本道路」がブースを出していました。


インターロッキングのイメージ(画像:写真AC)。

 日本道路は今回、店舗の道路や歩道、公園の通路などで舗装ブロックとして使われている「インターロッキングブロック」についての新しい技術を紹介。それは、コンクリートなどではなく、木材を使ったブロックです。

 同社によると、これはスギや竹などを特殊な方法で固めてできたブロックとのこと。ブースで製品の説明をしていた営業担当者は、「山などで、木が生い茂りすぎて日陰で生育できなくなってしまった間伐材が使われています」と話します。今回のサンプルには九州で伐採された間伐材が使われているとのことです。

 実は九州地方ではスギやヒノキなどの放置林や放置竹林が問題になっているそうです。木が密集しすぎてしまった山の斜面は実は、思ったほど水はけがよくありません。地表に陽の光が届かなくなるため、そこに植物は生えず、生い茂る木の根も土深くに食い込むほど生育していないからです。

 そのため、豪雨時では土砂災害や地滑りのリスクが高まるほか、スギに関しては花粉症の問題なども引き起こします。

 そうした問題の解決の一助として考え出されたのが、木や竹を使ったブロックだそう。とはいえ、“ただの代用品”以上の利点もあるそうです。

「実は通常のブロックより衝撃を吸収しやすくなっています。そのため歩いたときの足への負担がコンクリートよりも少なく、お年寄りにも優しく、転んだ際も衝撃を少し和らげる効果があります」(担当者)

 またコンクリートやアスファルトに比べると熱を吸収しにくいため、夏の暑さの抑制効果もかなりあるといいます。

 このブロックは全国販売を開始したばかりで、輸送面でのコスト問題などに改善の余地ありとのことですが、様々な業界から良い反応は貰っているとのことです。