31歳で引退を決めたヴァランがその理由を告白 「これ以上進むことはできない」
レアル・マドリードで18個のタイトル獲得や、2018年ワールドカップでフランス優勝の原動力となったラファエル・ヴァランは、31歳というスター選手の中ではあまりにも若い年齢で現役引退した。昨季まではマンチェスター・ユナイテッドでプレイし、今夏にセスク・ファブレガス監督が指揮を執るイタリアのコモへ移籍したが、デビュー戦で左膝を痛めたことで引退を決意したようだ。
『L’Equipe』のインタビューで自身の体の状態についてキャリアの11年間、「片膝」だけでプレイしていたことを明かしている。レアル・マドリードに所属していた2013年に右膝の半月板を負傷して以来、右膝を庇いながら、左膝に強い負担を強いて戦ってきたという。
「心理的には、ピッチに入ったとき、周囲にも自分自身にも、戦える膝が片方しかないと言うことが出来なかった。実際、(自分の体の中で)膝だけを見ていたら心配になる。怪我をしたり、膝を壊したりする可能性があることは分かっていた。剣闘士のように命を賭けるわけではないが、肉体的な問題を抱えながらプレイする、それが僕たちだ。小さい頃から僕らはタフな男なんだ。ずっと痛みと戦ってきたんだ」
その中でもレアル・マドリードで4度のチャンピオンズリーグ優勝を経験したヴァランは、「でも、この問題があったからこそ、自分の技術を極めることができた」と付け加えた。
「もう何年も激しいタックルはしていない。 デュエルでインパクトを与えるには、相手の攻撃より先に止まったり、加速したり、走り出したりするタイミングを待つんだ。この膝がなければ、私はこれほど自分のポジションをマスターしていなかっただろう。卓越した身体能力を持つ若い選手を見ていると、もし彼らが自分のポジションを練習することに(私と)同じだけのエネルギーを注いでいたら、怪物になっただろうと思う」
マンチェスター・ユナイテッドでの最後の出場でFAカップを制した際のインタビューでは、「今は、これ以上進むことはできないと思っているし、そのことを誇りに思うことができる」と自身のキャリアに満足していることを語っていた。