「衝撃的に無視された」名手リンドーアがまさかのGG賞選外で波紋 NYメディアが怒りの反論「まったく狂気の沙汰だ」

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遊撃手として優秀な成績を上げてきたリンドーア。(C)Getty Images

 名手を投票結果が波紋を呼んでいる。

 物議を醸しているのは、現地時間10月15日に発表されたメジャーリーグの「ゴールドグラブ賞」の最終ノミネート選手のリストだ。文字通り「守備の達人」に贈られる同賞の遊撃手部門において、過去2度の受賞歴を誇るフランシスコ・リンドーア(メッツ)が外れたのだ。

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 今季のファイナリストとなったのは、ダンスビー・スワンソン(カブス)、エゼキエル・トバー(ロッキーズ)、メイソン・ウィン(カージナルス)。いずれも守備の名手として鳴らすプレーヤーたちだが、リンドーアも今季は抜群の安定感を誇った。

 リンドーアの守備における貢献度の高さは数字が物語る。

 遊撃手として150試合に出場した30歳は、同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べ、どれだけの失点を防いだかを表す指標『UZR』も3.5を記録。平均的な選手よりどれだけ多くアウトを奪ったかを表す『OAA』に至ってはメジャー全体2位の16。これらのスタッツを見ても彼がトップクラスのパフォーマンスを披露していたのは明らかである。

 それでも最終ノミネートにも選ばれなかった。この事実に怒り心頭といった様子なのが、メッツの地元ニューヨークのメディアだ。

 メッツの試合中継などを行っているスポーツ専門局『SNY』は「リンドーアが衝撃的に無視された。彼の除外は論理に反する」と糾弾。「彼がゴールデングラブを手にできないというのは理解できるが、ファイナリストにも入られないのは全く理にかなっていない」と断じた。

 また、ニューヨークに拠点を置くラジオ局『WFAN』でパーソナリティーを務めるブランドン・ティアニー氏は「本当に最終候補じゃないの? ちょっと待ってくれよ。それが本当にわけがわからない。じゃあ、他に誰が最終候補の3人なんだ?」と憤怒。「リンドーアのようにゴールドグラブを獲るべき人、少なくとも最終候補に残るべき人が、この段階で残っていないなんてどうかしている。まったく狂気の沙汰だ」と持論を展開した。

 もっとも、当人は周囲の喧騒は意に介していない。ドジャースとのリーグ優勝決定戦に挑んでいるリンドーアは「どう表現したらいいか分からないけど、今年の守備面は良かったと思う。でも、他にも良い奴がいたってことでしょ」と回答。そして、「結局、俺はワールドシリーズで優勝できればいい。来年に(ゴールドグラブ賞の)チャンスがあればいいね」と笑顔で答えている。

 今季はナショナル・リーグのMVP争いでも候補者として名を挙げられるリンドーア。それだけにゴールデングラブ賞選外に対するショックはしばらく収まりそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]