「映えスポット」のひとつであるシラカバ並木=2023年8月1日、北海道美瑛町、日浦統撮影

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 農畑や樹木が織りなすパッチワークの景観が有名な北海道美瑛町には、年間200万人超の日帰り観光客が訪れる。

 人口の200倍というオーバーツーリズムの対策費をまかなうため、町は観光名所の「白金青い池」に駐車場税の導入を検討している。

【写真】美瑛町にはアップルの壁紙で有名になった「白金青い池」など多くの「映えスポット」がある。記者が撮影した美瑛の絶景の数々はこちら。

 宿泊客より日帰り客が多い特殊事情を踏まえたもので、実現すれば道内では初めてとなる。

 観光客が爆発的に増えたのは青い池が2012年に米アップル社のパソコンの壁紙に採用されたのがきっかけ。SNSで「映えるスポット」として世界に知れ渡った。交通渋滞や私有地への立ち入りなどに悩まされる町はこれまでにも一般の人に違法行為を見つけたら撮影してネットで通報してもらったり、観光スポットの混雑状況がリアルタイムで一覧できるネットサービスなどを実施したりしてきた。

 最近はAI(人工知能)搭載の監視カメラを設置して、禁止行為者にはスピーカーで日韓中英の4カ国語で警告を発する仕組みも導入した。それでもブームは過熱気味で、2023年度の観光客数は過去2番目に多い238万人超を記録した。

 そこで町が検討するのが駐車場税だ。太宰府天満宮で知られる福岡県太宰府市で導入例がある。町は10月中に宿泊税も含めて、新税に関する結論を出す予定だ。(日浦統)