レースを振り返る青学大・原晋監督

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 「出雲全日本大学選抜駅伝」(14日、出雲大社正面鳥居前〜出雲ドーム前=6区間45・1キロ)

 大学三大駅伝の開幕戦が行われ、昨季の箱根駅伝王者で18年大会以来6年ぶりの優勝を狙った青学大はトップと1分差の3位に終わった。国学院大が5年ぶり2度目の優勝を飾った。

 レース後、原晋監督は「1区が思ったよりスローペースだったので、後続を思いのほか離すことができなかったところから、少しずつ歯車が狂った。4、5区もタスキ間際の詰めの甘さが出た。ああいうふうな展開になると勝つことは難しくなる。勝てるなというタイミングがなかった。改めて勝つのは難しい。駅伝は難しい」と、誤算のレースを振り返った。「当然スピード強化も大切だが、走り込みをやった上での駅伝なんだなと思う。(アンカー勝負も)タイムだけなら駒大(篠原)が有利だと思ったと皆さん思ったと思うけど、練習をしっかりやってるマラソンランナーの(国学院大)平林くんが勝つ。駅伝はトラックのタイムだけではない強さが出てくるんだと思う」と、振り返った。

 若林の5区起用については「最後まで5区だけは前日の刺激をみて決めた。(悩んだ)3人誰を使っても同じ結果でしょう。こればっかりは。(アンカー勝負は)20秒差は大きかった。学生を代表する3人。同時スタートぐらいにしたかったが」とし、「全日本はしっかり狙いにいきたい」と見据えた。その上で4年生に向けて「もっと厳しさをね。勝てるぐらいにまだ思ってるでしょ?貪欲に勝ちにいく姿勢が必要」と、ゲキを飛ばした。

 今後に向けて「秋以降の駅伝となると国学院、駒沢、予選会からの中央あたりがライバルになってくる。まあ敗者はこれぐらいにしておきましょう」と、語った。

 原監督は恒例の作戦名に「かっ飛ばせ大作戦」を掲げて、3区に黒田朝日(3年)、5区に若林宏樹(4年)、最終6区に太田蒼生(4年)と強力布陣を擁して臨んだ。

 1区で日本選手権5000m4位入賞の鶴川正也(4年)が圧巻のラストスパートをみせ首位に立つと、2区で3位に順位を落としたが、3区で黒田が首位を奪還。その後は駒大、国学院大と3つどもえの戦いとなったが、5区で若林宏樹(4年)が残り2キロを切って失速。上位2校に突き放されるまさかの展開に。トップと24秒離された3位で“駅伝男”のアンカー太田に繫がれたが、国学院大の平林、駒大の篠原というライバルを相手に背中は遠かった。