1失点で完投した西日本短大付の中野

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 ◆九州地区高校野球福岡大会準決勝 西日本短大付2―1修猷館(12日・久留米市野球場)

 今夏の甲子園に出場した西日本短大付が、快進撃を見せてきた修猷館に1点差で競り勝ち、決勝進出を決めた。

 スタメン全員が甲子園でベンチ入りし、うち7人が試合に出場。強打を誇るが、修猷館の変則左腕、林歩(2年)を打ちあぐね、1回に1点を先制したが追加点が挙げられなかった。5回に押し出し死球で勝ち越すと、先発の中野琉碧(2年)が粘りの投球でリードを守り1失点で完投。「前の試合から球がだいぶ低めに集まるようになった。思うように投げられました」。走者を3度三塁まで進められたが後続を抑える粘り強い投球で自責点はゼロ。吹奏楽部もかけつけた相手スタンドの大応援も楽しむ余裕があった。「甲子園を経験して緊張しなくなった。あの大声援の中で投げたので」と1点差でも冷静に投げられた。

 甲子園では2回戦の菰野(三重)戦と3回戦の京都国際戦で救援登板し、通算4イニングを無失点に抑えたが、甲子園から戻ってエースナンバーをつけると制球に苦しんだ。「スライダーを狙われるんじゃないかと力が入って、ギリギリで耐えるような投球になってしまった」。秋の福岡大会でも調子がなかなか戻らず、準々決勝から復調の手応えをつかんだ。「ようやく中野らしい投球が出てきたような気がします」と西村慎太郎監督は大事な一戦でのエースの投球にうなずいた。

 チームの目標は九州大会で優勝して明治神宮大会に出場することだ。「九州で1番を取るためにまずは福岡の1位を目指します。自分たちは挑戦者として戦っていきたい」とエースは顔を引き締めた。(前田泰子)