井上尚弥選手(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

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米スポーツ専門局「ESPN」(スペイン語版)は2024年10月9日、プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)の特集記事を組み、WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T、26)との対戦の可能性に言及した。

井上は4階級、中谷は3階級制覇王者

井上は12月にWBO・IBF世界スーパーバンタム級1位サム・グッドマン(オーストラリア、25)を相手に防衛戦を行う見込みだ。

一方の中谷は、14日に東京・有明アリーナでWBC世界バンタム級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ、30)と対戦する。

井上、中谷ともに無敗の王者だ。世界4階級制覇の井上が28勝(25KO)、3階級制覇の中谷が28勝(21KO)と、ともに高いKO率を誇る。

階級は井上が1つ上で、将来的にスーパーバンタム級での両者の対戦が期待されている。

このような背景の中、「ESPN」は「怪物・井上を止められるのは中谷潤人だけなのか?」とのタイトルで記事を公開した。

記事では、中谷が井上と対戦するまでにクリアしなければならない「課題」に言及。まずは14日の防衛戦に勝利し、その次に同じバンタム級のWBA王者で、尚弥の実弟・拓真(大橋、28)を倒さなければならないとした。

「井上は超自然的な力を持っている」

同メディアは、井上に関して「超自然的な力を持っている」とし、次のように評した。

「キャリア28戦で25人をノックアウトし、過去10年で12ラウンドを戦い抜いたのはフィリピンのノニト・ドネアとメキシコのデビッド・カルモナだけだ。シルエットだけで相手を動揺させる。隙のないボクシングは不滅で、リング上では華々しく自己を主張する」

そして、世界的なボクサーになりつつある中谷については「成長は著しい」とし、井上と対戦に関して、こう言及した。

「サウスポーのガードと素早い打撃、そしてボディと顔面へのスマッシュを使い分ける圧倒的な強さで、井上にとって中谷は非常にリスキーな相手だが、井上に勝てる選手を挙げること自体が『冒涜』に聞こえるだろう。井上は現在も怖いし、将来も怖い」

井上はしばらくスーパーバンタム級に留まるとみられ、中谷がスーパーバンタム級に階級を上げたタイミングでビッグマッチが実現する可能性もある。