メッツ・千賀滉大、メッツ傘下の藤浪晋太郎、カブス・今永昇太(左から)【写真:ロイター、Getty Images】

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勝利貢献度「WAR」を基に算出した“評価年俸”

 メジャーリーグのレギュラーシーズンが終わり、ポストシーズンは地区シリーズが大盛り上がりを見せている。今季、年俸以上の活躍を見せた選手もいる一方で期待を裏切ってしまった選手の存在も。米データサイト「ファングラフス」では、勝利貢献度「WAR」を基に独自の「評価年俸(Dollars)」を算出。日本人選手たちの“コストパフォーマンス”を見ていきたい。まずは投手だ。

「評価年俸」とは、WARを年俸に換算し、当該選手がFA市場に出た場合にいくらで獲得できるのかを示している。今季打者に専念したドジャース・大谷翔平投手を除き、日本人投手でコスパが良かったのが、カブス・今永昇太投手だ。変則な形の4年5300万ドル(約78億円)で移籍した左腕は、今季年俸は900万ドル(約13億円)。それでも、15勝と防御率2.91はともにリーグ3位と大活躍を見せ、評価年俸は2430万ドル(約36億円)と“超お買い得”だった。

 菊池雄星投手も今季年俸は1000万ドル(約14億8400万円)だったが、fWAR3.5は今永(3.0)を上回り、評価年俸は2830万ドル(約42億円)。オフのFA市場でも人気を集めるかもしれない。12年3億2500万ドル(約482億円)の超大型契約で移籍したドジャース・山本由伸は、途中離脱したものの奪三振率11.25と本領を発揮。年俸は来季以降から上がっていく契約で今季は500万ドル(約7億4000万円)。評価年俸は2260万ドル(約33億円)と1年目はお得だった。

 一方で、コスパ面でマイナス評価になった投手もいる。パドレス・ダルビッシュ有投手は今季年俸1500万ドル(約22億円)に対して評価年俸は860万ドル(約12億円)、同じくパドレスの松井裕樹投手は325万ドル(約4億8000万円)/270万ドル(約4億円)、メッツ・千賀滉大投手は1400万ドル(約20億円)/120万ドル(約1億7000万円)だった。ダルビッシュは今季日本人初のメジャー2000奪三振、歴代トップに並ぶ日米通算203勝を挙げた一方で離脱期間も長かった。千賀も故障でわずか1登板に終わっている。

 特に大きなマイナスを計上したのが、今季から2年契約でタイガースに移籍した前田健太投手だ。防御率6.09はリーグ最低(100イニング以上)と苦戦し、プレーオフのロースターからも登録を外れた。今季年俸1400万ドル(約20億円)に対し、評価年俸は「-40万ドル(約6000万円)」と“獲得しない方がいい”という位置づけになっている。

 マイナー契約でレイズに移籍し、その後レッドソックスに移った上沢直之投手も、評価年俸は90万ドルでメジャー最低年俸を上回った格好だ。一方で、1年335万ドル(約4億9000万円)でメッツと契約を結んだ藤浪晋太郎投手は、不振や故障でメジャー昇格はできず。“評価年俸なし”という結果だった。(Full-Count編集部)