ジャングルポケット・斉藤さんのX(@chsaito)より

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お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二氏が、不同意性交などの疑いで書類送検されたことが2024年10月7日に報じられ、同日に所属の吉本興業はマネジメント契約の解除を発表した。

報じられるなかでは斉藤氏は「斉藤メンバー」と呼称されており、SNSでは注目が集まった。

妻・瀬戸サオリは「一部事実と違う報道がされております」

報道によると、斉藤氏は7月に東京都新宿区内に駐車中のロケバスの中で性的暴行をした疑いなどが持たれている。女性が警察に相談し、斉藤氏は容疑を認めているという。なお、斉藤氏は9月20日、8月から入院するなど体調不良が続いていたとし、当面の活動休止を発表していた。

一方で、斉藤氏の妻でタレントの瀬戸サオリさんは、同日にインスタグラムで「一部事実と違う報道がされております」と主張。投稿によると「相手の方からも行為がありSNSをフォローしたり連絡先を交換していたことは事実」とし、「ドライブレコーダー及びカメラの解析を警察の方に求めていました」としている。

吉本興業も同日、15時時点で、「これまで、斉藤に対する重大な契約違反の疑いについて、弁護士の助言等を受けつつ、当事者の名誉・プライバシー・健康状態等に配慮し、関係者等と協議しながら慎重に事実確認を含めた対応を行ってきたところですが、本日、斉藤とも協議の上、マネジメント契約を解除いたしました」と発表した。

こうした報道がなされたなか、斉藤氏の呼称については、メディアによって分かれた。主なテレビ局ではNHK、日本テレビ系、TBS系のニュースが、新聞社では毎日新聞、朝日新聞が「メンバー」で報道している。フジテレビ系、読売新聞は「容疑者」と報じている。

もっとも、「斉藤メンバー」での報道に、Xでは「メンバーって何? 吉本忖度?」「なんで斉藤慎二にメンバー付いてんの笑」「ジャニーズ以外でも『容疑者』じゃなくて『メンバー』使うことあるんだなぁ」といった声が寄せられている。

過去の「メンバー」報道としては、2018年4月に元TOKIOの山口達也氏が女子高生への強制わいせつ容疑で書類送検された際に「山口メンバー」と報じられた。また、2001年に元SMAPの稲垣吾郎氏が道路交通法違反などの疑いで逮捕された際も「稲垣メンバー」と報じられた。

このような過去の事例が思い出され、Xではこれらのワードが一時トレンド入りしていた。

「メンバー」を使う理由は

なぜ容疑者よりも「メンバー」が多数派なのか。

たとえば、読売テレビの元アナウンサー・道浦俊彦さんのブログ「平成ことば事情」の2001年10月2日の記事では、稲垣さんの報道の際に、「逃亡のおそれがないことから『在宅での捜査』に切り替わり釈放」されたとし、その際の記者会見時から報道各局は「メンバー」に切り替えたとしている。

その理由として、「テレビ局内の報道に関する内規に、在宅での捜査の場合の容疑者の呼称については、『実名に肩書き(まれに敬称)をつける。微罪の場合、"匿名"もあり』というふうに決められており、今回はそれに従ったのです」と説明していた。

また、報道各社が手引きとする、共同通信社の記者ハンドブックでは、「任意調べの場合は容疑者を使わない。容疑者と被告は有罪が確定するまで無罪と推定される」と記載されている。一方で、敬称や肩書については、芸能欄の芸能人には敬称を付けないとし、「死亡、事件、事故、善行、訴訟などの場合は呼び捨てとしない」とある。

今回の場合、報道によると斉藤氏は書類送検されたものの逮捕されておらず、「容疑者」を使う事例には該当しないため、ほかに適切な肩書がなく「メンバー」を使ったものとみられる。

なお、過去には書類送検された著名人にも「さん」や「氏」などの敬称が使われている例もあった。例えば、お笑いコンビ「FUJIWARA」藤本敏史さんが23年10月に当て逃げ事故を起こし、24年1月に道路交通法違反で略式起訴された際、斉藤氏を「メンバー」と報じたNHKや日本テレビ、毎日新聞、朝日新聞は「藤本敏史さん」とさん付けで報じている。