【毎日王冠/追い切り診断】3歳一角に「A」の高評価 “気迫十分”のラスト11秒台前半連発で「充実ぶり著しい」
第75回毎日王冠(6日/GII、東京芝1800m)には、宝塚記念5着、大阪杯2着の実力上位馬ローシャムパーク、3歳馬の意地を見せたいシックスペンス、昨年の勝ち馬エルトンバローズなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「シックスペンス」を取り上げる。
■シックスペンス
【中間調整】中山芝1600mでデビューから2連勝。ひと息入れ、重賞に初めて挑んだスプリングSは1F延長もなんの、好位3番手でピタッと折り合うと直線では最速の末脚で抜け出す横綱相撲で3連勝とした。間隔がタイトとなる皐月賞はパス。中9週で日本ダービーに挑んだが、ここではかなり昂った状態で臨んでしまい、流れも異例のスローだったことで折り合いを大きく欠いての1秒0差9着に終わってしまった。それまでの連勝が大きく間隔を取ってのものだっただけに、中9週ではテンション面が収まらなかったということか。
夏は全休に充て、スプリングSと同じ1800m重賞のここから秋は始動となる。まだ暑さの残る9月上旬からウッド主体で乗り込まれ、ラスト1F11秒台前半を連発。休養効果で逞しさがアップしたようだ。2週前、1週前と馬なりでウッド5F66秒台と全体時計も上々。日曜追いはウッドで左右2頭の馬を置く3頭併せで1頭に併入。1頭には遅れたが、相手はその週JDCに出走するサトノエピックだったので、敢えて抜かせる形を取ったものだろう。
【最終追い切り】レース当週もウッドで併せ馬。序盤から比較的速いラップを刻む意欲的な内容で、目標の相手がいい抵抗を見せる。しかしこれを終始アオり気味に進んで、結局半馬身の先着とした。時計は内目を回ったにしてもかなり速い5F64秒3(馬なり)。
【見解】春は体質面の弱さを考慮してか坂路で最終調整を行ってきたが、休養で強化を果たした今回はウッド主体で、日曜&最終追いもウッド。充実ぶりは著しい。今週の併せ馬で見せた気迫も申し分なく、前走大敗の憂さを晴らす走りは十分に可能。
総合評価「A」
著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。