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 女優の吉高由里子(36)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は9月29日、第37話が放送された。話題のシーンを振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛〜僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

 第37話は「波紋」。中宮・藤原彰子(見上愛)が一条天皇(塩野瑛久)の皇子を出産し、まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)は喜びを分かち合う。2人の親密さが噂になる中、彰子がまひろの物語を冊子にして天皇への土産にしたいと希望。まひろをはじめ、女房たちは豪華本を作ることに。一方、新たな皇子の誕生により、藤原伊周(三浦翔平)らの思惑は外れた。皇位継承をめぐる不穏な気配が漂い、内裏で事件が起こる…という展開。

 寛弘5年(1008年)。まひろは実家に里帰り。10歳になった藤原賢子(梨里花)と再会したものの、微妙な空気が流れる。

 酒席。まひろは酔い、「五十日(いか)の儀」の“無礼講”など裕福な暮らしをひけらかし。藤原惟規(高杉真宙)は姉を注意した。

 宴が終わると、まひろは「罪」「罰」と筆を運んだ。その姿を賢子が遠くから見つめた。

 彰子は敦成(あつひら)親王を連れ、内裏の藤壺に戻る。まひろも呼び戻され、「源氏物語」の豪華本を献上。一条天皇は「おお、これは美しいのう」と感嘆。彰子の発案と知ると「うれしく思うぞ」と喜び「三十三帖か。大作であるな」「(続きに)それは楽しみである。大いに励め」と声を掛けた。

 読書会も開かれ「一条天皇が一目置いたことで、まひろの『源氏の物語』は評判を呼び、彰子の藤壺を華やかなものにしていった」(語り・伊東敏恵アナウンサー)。そして、まひろは「三の宮はまだ幼く、ただ私一人を頼みとしてきたので…」(心の声)と執筆を進めた。第34帖「若菜(若菜上)」。「源氏物語」第2部がスタートした。

 まひろが書き記した「罪と罰」がSNS上で反響。「2文字で女三の宮編を練り始めたと分かるの、凄くないですか」「賢子との確執に悩み“罪と罰”と紙に書きながら、その実、女三の宮のくだりの構想を練っているかもしれない作家の性」「“罪…罰…”の独白から書き始めたのが女三の宮なのは、彼女の不義が第34帖以降の光源氏の凋落の一端だから。しかし、まひろがそこにたどり着いたのは、もしかすると赤染衛門から自身の不義についてクギを刺されたからかもしれませんね」「やはり『若菜』の執筆と同時に、まひろと道長の罪と罰が描かれていく感じか」「この物語で紫式部(まひろ)と藤原道長の罪にどんな罰が下されるのか。今から想像して震えている」「『源氏物語』は因果応報の物語。その作者まひろも因果応報を心に抱えて生きている。それをひっそりと見る賢子が、己の出生の秘密を知る時は来るのか」「道長が自分の孫を天皇に、と野望を明らかにしたその時、藤式部が光源氏の因果応報の物語を書き始める。世のためでなく、自分のために動き出した道長を止められるのか」などの声が相次いだ。

 「源氏物語」は第33帖「藤裏葉」で主人公・光源氏が栄華を極め、第1部が完結。第34帖から第2部に入る。

 40歳になった光源氏は、正妻格・紫の上がいるものの、14歳の女三の宮を正妻に迎える。その後、女三の宮は不義の子を出産。光源氏自身も若き日に不義密通の罪を犯していた。

 次回は第38話「まぶしき闇」(10月6日)が放送される。