古代マヤ文明の水中洞窟「セノーテ」は当時の遺骨と絶滅した巨大動物の化石を保存するタイムカプセルと化している
メキシコのユカタン半島には、「セノーテ」と呼ばれる水没した陥没穴が点在しており、中には巨大な洞窟を形成しているセノーテもあります。そんなセノーテに長年潜り続けている写真家のマーケティン・ブローン氏がセノーテに眠る遺骨や化石について説明しています。
Divers in Mexico's Underwater Caves Get a Glimpse of Rarely Seen Artifacts, Fossils and Human Remains | Smithsonian
ユカタン半島はメキシコ湾とカリブ海を隔てるように突き出た半島で、マヤ文明の遺跡が多くあることで知られています。
そんなユカタン半島に点在している水没した陥没穴が「セノーテ」です。セノーテは淡水の地下水で満たされており、古代マヤ文明の人々はセノーテの水を生活や儀式などに用いていたと考えられています。
セノーテの中には巨大な横穴につながっているものも多く、ブローン氏は過去10年にわたってセノーテに潜り水中洞窟を探検してきたとのこと。
マヤ文明時代のセノーテは現代よりも水位が約90cmほど低く、人々は淡水を得るために洞窟の奥深くまで進んでいました。このため、水中洞窟の中ではマヤ文明の人々の遺骨と思われる人骨が見つかることもあります。
発見されたヒトの頭蓋骨の写真が以下。マヤ文明の高位の人々は装飾品のために歯を削っていたそうで、水中洞窟で発見された頭蓋骨の歯にも削った痕跡が残っています。
また、人骨だけでなく「ウミガメの化石化した甲羅」や「地上に住む哺乳類の化石」なども見つかるとのこと。哺乳類の化石が水中洞窟の奥深くで見つかる理由についてブローン氏は「氷河期にはセノーテの水位は現代よりもかなり低くなっており、哺乳類は淡水を求めて洞窟の深くまで進んだ。その後、水位の上昇に伴って遺骸が化石となった」と説明しています。
なお、ブローン氏が撮影した水中洞窟の写真は以下のリンク先で大量に公開されています。
Martin Broen Photography
https://www.martinbroen.com/#/cave-exploration/