草刈民代

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「けんかのエネルギーは不毛」

 近ごろ、相次ぐ芸能人の事務所独立。9月11日には、女優の草刈民代(59)が自身のSNSで、今年3月にワタナベエンターテインメントとの契約が満了していたことを公表し、注目を集めている。還暦を前に一大決心を下した名女優が語る、仕事と家族――【前後編の後編】。

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 前編【草刈民代が語った独立の理由とは? 「マネージャーはおらず、メールも自分で返信」】では、にわかには信じがたい大女優のセルフマネジメント、独立の理由などについて語ってもらった。

 独立に際して、一部では「周防正行監督(67)がマネージャーを務める説」もささやかれたが、草刈は身をもって完全に否定。その監督とは結婚29年目、芸能界屈指のおしどり夫婦として知られるが、実際、夫婦仲はどうなのか。

草刈民代

「けんかはしないですね。結婚して最初にけんかしたときに、3週間、口を利きませんでした。そうなると何が原因だったかも忘れている。どっちかが“おはよう”と言ったのを機に普段の生活に戻ったのですが、けんかのエネルギーが不毛だとよく分かりました」

「チャーシューは私が作って、夫は錦糸卵を」

 彼女の実家は「ONE PIECE」などのメガヒット漫画も手がける老舗の印刷会社を経営。草刈夫妻は、両親と妹2人の家族、のべ4世帯住宅のマンションで“同居”している。

「父も母も80代後半、一緒に暮らしていると安心ですよね。今は妹が社長をやってるんですけど、父はまだ週に何回か会社に行っています。両親含めて、家族みんなが夫を頼りにしていますね。甥や姪からも一目置かれています。的確に意見するので、よき相談相手だと思いますよ」

 気になる夫婦生活の一端をご披露願うと、

「バレエをやめてからは私も料理をするようになりました。今は夫と交互に作っていますね。夫はなんでも上手ですけど、例えば冷やし中華でも、外で食べるようなものを作りますよ。チャーシューは私が作って、夫は錦糸卵を作って盛り付けたりして。この夏も何回か食べました」

 なんともうらやましい共同作業である。

「草笛光子さんみたいになれたら」

 ところで、寡作で知られる監督は「カツベン!」(2019年)の後、新作の知らせがない。いかがお過ごしなのか。

「コツコツ次の作品の準備もしていますけど、例えば袴田巖さんを支援する活動に参加しています。再審法改正というのはすごく重要なことらしいですね。(痴漢の冤罪がテーマの)『それでもボクはやってない』(07年)以降、法律関係の話を夫から聞いていますが、法律を知らないと何かがあったときにどうなるか分からない。夫がこういう活動に積極的に参加する気持ちはよく分かります」

 さて、完全フリーとなった今、草刈は今後の女優業をシビアに見据えている。

「いつまで必要とされるかは、自分では決められないですよね。例えば、草笛光子さんみたいになれたらすごいこと。90歳で主役をされてセリフを覚えて、あれだけお奇麗でいられるっていうのは、誰もができることじゃないですよね。私は『月と雷』(17年)という映画で、アル中のどうしようもない母親をやったんですけど、おそらく強烈な人の役だと個性を発揮できる側面もあるのかな。極悪人の役? 今までそういう役を振られてないということは、極悪人の感じがしないんだろうと思いますよ。でも、いろんな役をやってみたいですね」

 新境地への“ステップ”の行方やいかに――。

 前編【草刈民代が語った独立の理由とは? 「マネージャーはおらず、メールも自分で返信」】では、にわかには信じがたい大女優のセルフマネジメント、独立の理由などについて語ってもらった。

「週刊新潮」2024年10月3日号 掲載