上田麗奈が「君は冥土様。」の見どころを語る！「雪さんが普通を取り戻していくところがグッとくる」

2024年9月30日 17時0分

訳ありで一人暮らしをしている高校生・横谷人好と、人好の家に「私を雇ってほしい」とやってきた"前職・殺し屋、特技・暗殺"、そして家事は全くの初心者でドジっ子のメイド・雪。そんな出会いから始まる、ひとりぼっちだった雪に家族ができるまでのストーリーを描くTVアニメ「君は冥土様。」が、2024年10月5日（土）から放送される。

今回はオンエアに先駆けて、ヒロインの雪／シュエを演じる声優・上田麗奈にインタビューを実施。作品にかける思いなどを聞いた。

――今回ご出演される「君は冥土様。」という作品への印象をお聞かせください

「全体を通して、ベースとして"温かみ"がすごくある作品だなと思うんですが、そのベースがある上で、雪さんの素直だからこそのボケがあって、そこに人好くんの常識的なツッコミがあって...というコミカルなバランスもすごく良くて。かつ、雪さんの回想シーンだったりとか、暗殺者の経験があるがゆえのセリフ回しだったりとか、シリアスな要素も詰まっていて。場面や表情、コミカルとシリアスがコロコロと行き来する感じが、飽きずに見続けられる作品だなと思いながら、原作を読んでいました。特に雪さんのクールだけど素直だからこそ起こる表情の変化の多さが、すごく魅力的に描かれているんです。そこも見どころだなと思いつつ、最終的には、読んだ後にすごく優しい気持ちになるというか、そこがすごく好きな作品だなと思って、オーディションを受けさせていただきました」

――雪を演じる上で意識したことを教えてください

「雪さんは暗殺者として生きてきた経験があるからこそ、感情を殺さなくてはならなかったんですよね。序盤では『喋り方も少しロボットっぽい感じに』というディレクションがあったんですけど、彼女にそういう過去があったんだなと捉えて、クールな部分を意識していこうとお芝居していました。でも、本質的なところはすごく暖かい人だからこそ、柔らかさが根っこにあるということも意識していました。人好くんと会って人と関わっていく中で、どんどん『何かできないかな』と頑張っていくところも、自分の気持ちや相手、自分のいる環境にも、すごく真面目で誠実でとっても素直だからこそ、適応してしまったり、花開いていったりする人なのかなと思います。"目の前にある環境を素直にそのまま受け止める"みたいなピュアな心を持っていて、全編を通して演じていく中で、メリハリが結果的についてくればいいなと思いながら演じました」

――雪さんを始め、上田さんはこれまでも"悲しい過去を背負っていたけれど、新しい出会いによって本質を取り戻していく"というキャラクターを数多く担当されてきた印象があります。そのような役どころについて、演じがいがありますか？

「演じがい、ありますね。すごく共感できるなと思います。自信や自尊心がなかったりとか、その大きいも小さいも、きっと私の中にもあるものだと思っていて。だからこそ理解できるから、演じることに楽しさもあるというか、自己投影もしつつ演じている感じはあるのかなと思います。身を削っていくというか、"上田麗奈"も使いつつ、エネルギーを込めていくというのが、すごく大変だけどやりがいがある、みたいな感じですね。本当に自分のパーソナルだからこそ理解できるところがあるし、表現できることもあるのかなと思えるキャラクターだと思います」

――放送を楽しみにされている皆様へメッセージをお願いします！

「雪さんが"普通"を取り戻していくというところが、すごくグッとくる作品だなと思います。暗殺ができなくても、家事ができなくても、雪さんを受け入れてくれる人たちがいて、その人たちがいるからこそ安心できて、何か役に立てることがあったらいいなと、雪さんも相手のことを思えるようになって...。そんな当たり前の普通のことを雪さんが取り戻していくのをぜひ見守っていただけたらなと思います。私自身もこんな風に人に対して接していきたいなとか、こんな気持ちを持って関係性を育むということをできたらいいなと、勉強になるところもいっぱいあります。見てくださる方々の人生の中に少しでも役に立てるところがあったら、きっと雪さんと人好くんも喜ぶんじゃないかなと思いますので、ぜひ最後まで見守っていただけたらなと思います！」

撮影・取材・文＝中村実香
スタイリスト＝井上はこね　ヘアメイク＝矢澤睦美(Sweets)
衣装協力：nagisa