廉価版VRヘッドセット「Meta Quest 3S」を体験。重大なことに気づいてしまった…
Metaの開発者向けカンファレンスMeta Connect 2024で発表された新VRヘッドセット、Meta Quest 3S。エントリー端末で、300ドルというぐっと抑えた価格が魅力です。VR世界へ飛び立つ金銭的ハードルを下げ、より多くのユーザーに扉を開こうとするMetaの姿勢が伺えます。
米Gizmodo編集部が、発表会後のデモ体験に参加。Meta Quest 3Sを触ってきました。以下、触ってみて最初に感じたことです。
VR、いやMRヘッドセットを最後に装着したのはけっこう前のこと。Quest 2を持っていますが、最近はあまり触っていませんでした(使うのは折りたたみのAndroid端末ばかり)。Meta Connectのデモ会場でMeta Quest 3Sを装着。久しぶりにMRヘッドセットを装着して、なぜ自分は使用頻度が低いのか思い出しました。…そう、私は酔うタイプなのです。
ライト層は買い替えチャンス
発表されたMeta Quest 3Sは299ドルからという価格が魅力(日本では128GBモデルが4万8400円、256GBモデルが6万4900円)。Quest 3の基本モデルよりもずっとリーズナブルです。
搭載されているチップは、Meta Quest 3と同じクアルコムのSnapdragon XR2 Gen 2。低価格化実現のために犠牲になったのは画質と視野角。とはいえ、Quest/ Quest 2よりもスペックは高いため、お買い得感は強いです。また、フルカラーのパススルーモードも搭載されているので、モードを切り替えることで装着したままの動きも楽です。
印象としては、最近あんまり使っていないというライト層(でもたまに使うし、興味もある人)に、前モデルからの乗り換えの機会を提供している感じ、かな。
ハイエンドでも廉価版でも酔う人は酔う
デモ会場では「絶対試したい!」と、私もかなり張り切っていました。が、デモ終了頃には、なんで家のQuest 2の使用頻度が減っているかを痛いほど思い出しました。忘れてましたけど、私は酔いやすい人…。
しっかりランチ食べていなかったせいか、会場の暑さのせいか、デモ30分を経過した頃には、胃のあたりがムカムカっとしてきました。ヘッドセット外しすと、やっと「現実」で呼吸できた気分。
今回のデモでVR酔いした1番の原因は、たぶんHorizon Worldのコンテンツ「Music Valley Experience」。ディズニーチャンネルのドラマ『ガール・ミーツ・ワールド』に出演していたサブリナ・カーペンターのショーがあり、ドンピシャ世代の私としてはとても嬉しかったのですが…。ステージに近づくことができるのですが、これは近すぎた。近すぎる没入感にちょっとクラクラ。
また、別のアバターもいて、一緒に踊ったり、VR公園にいったり、UFOに乗ったりしていたら、酔いはピークへ。もうクラクラのムカムカです。
Quest 3Sを装着していると常にVR酔いするかと言えばそうでもなく、例えばAmazonプライムのセリーヌ・ディオンの映像は素晴らしかったし、3D YouTubeの8K映像の花畑も見事でした。VRでウィンドウを表示し、重ねる体験もしました。Xboxもやってみたかったのですが、コントローラーの不具合で試せず。ダンスゲームの『Just Dance』もプレイしたかったのですが、もうこの辺りで我慢の限界。ヘッドセット外したい気持ちが勝ってしまいましたね。
最もVR酔いしたのはHorizon Worldsで、これはたぶん水平線がないから。船に乗ったときに、遠くの水平線を見ると酔わないというアレです。Horizon Worldsではその水平線となる安定した線がないのです。デモは座って行ったのですが、まさか座ったままでもあんなに酔うとは思っていませんでした。
低価格化は実現できても、VR酔い対策はまだ。廉価版で導入ハードルは下がっても、体験自体にアップデートがこないと真のハードルは下がらない気がしますが…。もちろん、あくまでも酔いやすい人の意見です。