横浜聡子が漫画家・三好銀の代表作を映画化 『海辺へ行く道』2025年晩夏公開へ
横浜聡子が監督を務める映画『海辺へ行く道』が2025年晩夏に全国公開されることが決定した。
参考:『うちの弟どもがすみません』に笛木優子&麒麟 川島明が出演 畑芽育ら5人姉弟の両親に
本作は、漫画家・三好銀の『海辺へ行く道』シリーズを映画化するもの。何やらあやしげな“アーティスト”たちが行ったり来たりする街でのんきに暮らす14歳の美術部員・奏介とその仲間たちは、大好きなモノづくりをしながら、縦横無尽のイマジネーションでどこまでも世界を愉快にする。
監督・脚本は、『ジャーマン+雨』『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』『いとみち』で知られる横浜が務める。横浜は、10月28日から11月6日にかけて開催される第37回東京国際映画祭アジアの未来部門の審査委員を務めることも発表された。
さらに監督の横浜、原作者・三好銀の息子でありアーティストの三好風太からはコメントも到着した。
■コメント・横浜聡子(監督)
2010年に『海辺へ行く道』に出会った時、もし映像化されることがあるとしたら他の誰にも撮られたくない、と思った(と同時に映像化はいかにも困難な作品だと怖れた)。三好銀さんの描く世界では、種々雑多な人や出来事がごく当たり前に、超然とそこにある。それを多様性と呼ぶまでもなく、世界はそもそもが多様なものなんだと気付く。存在して大丈夫なのだと、いつも励まされる。2024年、幸いにしてこの映画を作ることができたが、まだゴールじゃない。とめどない想像力をたずさえて道を行く三好さんの軌跡を、私はずっと追い続けるだろう。
・三好風太原作をなぞるわけでも、かといって蔑ろにするわけでもない、横浜監督の不思議な手つきによって、気づいた時には異界へと誘われていました。その手つきは、ときに軽やかでときに不穏な、劇中のアーティストたちの不定形な振る舞いとも、重なっているのかもしれません。父の遺した物語から出発しつつ、全く違った景色へ連れ去ってくれたことを、とても嬉しく思います。(文=リアルサウンド編集部)