シニア犬が生き生き暮らすための秘訣

シニア犬になると、これまで好きだったことを嫌がるようになったり、これまで得意だったことが出来なくなったり、肉体的にも精神的にも衰えが感じられるようになります。

視覚・嗅覚・聴覚の衰えや認知機能の低下によって、怒りっぽくなったり、怖がりになったり、性格が変わってしまったように感じられることもあります。

日々、少しずつ変化することもあれば、ある日突然、急な変化が見られることもあり、飼い主も戸惑うでしょう。

しかし、最も戸惑うのは犬自身です。どうして自分の体を思い通りに動かせなくなってしまったのか、どうして上手く感じられなくなってしまったのか、理解できずに混乱してしまうのです。

衰えによる日々の変化を臆することなく、シニア犬が生き生き暮らすための秘訣を解説しますので、飼い主の愛情サポートをお願いします。

1.外に出て刺激を受ける

シニア犬が生き生き暮らすための秘訣は、外に出て刺激を受けることです。

歩けるのであれば、10分~15分程度のお散歩を1日2回、続けてみましょう。疲れやすく、途中で歩かなくなってしまうこともありますので、近所をお散歩するのがおすすめです。

ドッグランや公園などの安全な場所まで抱っこやペットカートで移動し、他の犬と遊んだり触れ合ったりするのもよい刺激になります。

お散歩に行くことが難しい日は、ベランダやバルコニーや庭に出て、風や音やニオイを感じながら日向ぼっこするのもよい刺激になります。

外に出ることが難しい日は、窓を開け、部屋に入ってくる風や音やニオイを感じられるだけでも十分な刺激になるでしょう。

2.体と心の負担を減らす

シニア犬が生き生き暮らすための秘訣は、体と心の負担を減らすことです。

シニア犬になると、筋力の衰えによって、手足が思うように動かせなくなったり、つまずきやすくなったりします。ほんの数cmの段差にもつまずき、転倒してしまうことがあります。

フローリングには滑らない対策を十分に行い、家具の角にはクッション材を取り付け、ラグなどの敷物は、犬が立ち上がるときにズレてしまわないような配慮が大切です。

トリミングは、シニア犬の体にも心にも負担を与えます。シャンプーは飼い主の手で行い、安全と清潔を保つ程度のカットをトリマーにお願いするなど、工夫しましょう。

3.おもちゃやおやつを使って遊ぶ

シニア犬が生き生き暮らすための秘訣は、おもちゃやおやつを使って遊ぶことです。

運動量が減ってしまうシニア犬には、おもちゃやおやつを使った室内での遊びをすることで、1日の活動量を増やしましょう。

おもちゃだけでは興味を持ってもらえないことが多いのですが、おやつも加えると、楽しく生き生きと遊んでくれます。

具体的には、おもちゃを転がすと中からおやつが飛び出すような知育おもちゃがおすすめです。

4.食べやすく飲み込みやすいごはんに変えること

シニア犬になると、ドライフードの粒を噛み砕く力が弱くなってしまったり、硬い粒のままでは飲み込みにくかったりし、ごはんを食べなくなってしまうことがあります。

また、硬い粒のごはんは消化への負担がかかりやすく、消化不良による下痢や嘔吐を起こしやすいです。

小さい粒に変える 薄い粒に変える 砕いてから与える お湯をかけてやわらかくする

愛犬の好みに合わせて、食べやすい工夫をしましょう。

シニア犬になると、基礎代謝が落ちます。運動量や活動量も減ります。栄養バランスを崩すことなく、適切なカロリーを摂る必要があります。

まとめ

シニア犬が生き生き暮らすための秘訣を4つ解説しました。

外に出て刺激を受ける 体と心の負担を減らす おもちゃやおやつを使って遊ぶ 食べやすく飲み込みやすいごはんに変える

愛犬の状態に合わせて変化させることも大切ですが、これまでと変わらない生活を送り続けることも非常に大切です。


(獣医師監修:寺脇寛子)