犬の体が汚れてしまう原因

人間同様、犬もいくら家の中で生活していたとしても日々汚れてしまっています。

では、なぜ汚れてしまうのかご存じでしょうか。

その原因を正しく理解しておくことで、お手入れの方法や考え方も変わるかもしれません。分かっているつもりでも、愛犬のために今一度この機会に確認しておきましょう。

1.排泄物の付着

毎日、おしっこやうんちが皮膚や被毛に付着します。目には見えないほどの微量かもしれませんが、毎日少しずつ溜まり続けています。

長毛種であると、おしっこやうんちが付着しやすく、被毛で隠れた汚れに気づけないことがあります。

2.フケ・汗・皮脂などの新陳代謝

健康な犬の体からもフケは出ます。小さくサラサラとしたフケです。人間ほどではありませんが、汗もかきますし、皮脂も出ます。

お手入れがされず、溜まり続けることで、嫌なニオイを発することがあります。皮膚や被毛がベタベタする原因にもなります。

3.人に撫でてもらうから

人の手に触れられることの多い犬の体は、人の汗や皮脂や手垢などによって汚れることがあります。

常にアルコール消毒を行っている医療従事者の手にも、手の1平方センチメートルあたり、4百60万個の細菌がいるとされています。

4.月1回しかシャンプーできないから

犬の皮膚の構造上、人間のように毎日シャンプーすることができません。高頻度でも月1回程度のシャンプーが基本です。

年齢や健康状態によっては、2カ月~3カ月に1回しかシャンプーできない犬もいます。

犬の体を清潔に保つことが大切な理由

愛犬の体を清潔に保つことを怠ると、当然ながら体が汚れます。

抜け毛と健康な毛が絡み合い、毛玉になったり、通気性が悪くなったりします。通気性が悪い状態のままでいると、皮膚が蒸れます。フケが溜まったり、皮脂が溜まったりし、皮膚や被毛がベタベタになります。体臭だけではなく、嫌なニオイもしてきます。

皮膚に炎症が起き、不快感や痒みから犬が執拗にカキカキしてしまい、皮膚が傷つきます。出血を伴うことがあります。

このようなことが原因となり、脱毛・膿皮症・皮膚糸状菌症・マラセチア皮膚炎・毛包虫症・疥癬症・アトピー性皮膚炎などの皮膚病になることがあります。

犬の皮膚病は本当に厄介な病気です。すぐに良くなったように思っても、またぶり返すことがあります。治療に通っても、全く良くならないと感じることがあります。飲み薬が欠かせなくなり、やがて強いお薬を飲むようになり、内臓まで悪くしてしまうことがあります。

愛犬の体が汚れていると、動物病院の待合室にいるとき、「臭ってないかな…」「臭いと思われてないかな…」「汚いと思われてないかな…」と不安になることがあります。診察をして下さる獣医さんにも申し訳ない気持ちになります。

愛犬の体のお手入れをするとき、私たち飼い主は、同時に健康チェックも行っています。皮膚に異常はないか、気になるしこりはないか、ケガをしていないかなどです。

愛犬の体を清潔に保つことを怠ると、ケガや病気を見落とし、早期発見や早期治療に繋げることができず、健康寿命や寿命を縮めてしまうことになるかもしれません。

犬の体を清潔に保つために日頃から欠かせないケア

ではここからは、愛犬の体を清潔に保つために、日頃から欠かせないケアについて確認しておきましょう。

ブラッシング

ブラッシングは、犬のケアの基本中の基本です。毎日のブラッシングさえ欠かさなければ大丈夫、と言っても過言ではないほど大切なケアです。

お散歩に出ると、土や砂、チリやホコリが付着します。帰宅してすぐ、必ずブラッシングをしましょう。

犬の体を清潔に保つためのブラッシングの仕方は、根本から梳くようにすることです。被毛のもつれが取れたり、抜け毛やフケが取り除かれやすくなったりします。

また、ブラシの先がかるく皮膚に当たるようにすると、血流の促進にもなります。

排泄物の拭き取り

排泄後すぐであれば、トイレットペーパーやティッシュで優しく拭き取ればOKです。排泄をする度にウェットティッシュで拭いたり、洗ったりすると、皮膚が炎症を起こしやすくなるため注意しましょう。

乾いてしまったおしっこは、ウェットティッシュやボディータオルで拭き取り、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。乾いてしまったうんちは、ブラッシングで取り除くことができる場合があります。

ひどく汚れてしまっているときは、部分的にぬるま湯で洗い流す、またはシャンプーをするとよいと思います。湿ったままでいることがないよう、ドライフードで十分に乾かしましょう。

まとめ

犬の体が汚れてしまう原因を解説しました。

清潔を保つためには、正しくケアすることが大切です。拭き過ぎたり、洗い過ぎたり、間違ったケアをすると、愛犬の体が健康を失ってしまうことがあります。

愛犬に必要なケアは何か、頻度はどれくらい必要かなど、見極めてお手入れするようにしましょう。