by Charles Chan

Alibaba Cloudのデータセンターでリチウムイオンバッテリーの爆発に起因する火災が発生し、ネットワーク障害が発生しました。この消火活動によってデータセンターの機器が水浸しになってしまったため、Alibaba Cloudはデータセンターから濡れた機材を搬出して乾燥し、復旧を急いでいると報告しています。

status.alibabacloud.com/#/eventDetail?eventId=21

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Alibaba Cloud waiting for hardware to dry out after fire • The Register

https://www.theregister.com/2024/09/17/alibaba_cloud_singapore_fire_recovery/

Alibaba cloud servers being 'carefully dried' after firefighter drenching last week | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/desktops/servers/alibaba-cloud-servers-being-carefully-dried-after-firefighter-drenching-last-week

日本時間の2024年9月10日11時20分に、Alibaba Cloudのモニタリングシステムが、シンガポールリージョンのZone Cでネットワークアクセスの異常を検出しました。Alibaba Cloudのエンジニアが調査した結果、シンガポールのデータセンターでリチウムイオンバッテリーが爆発したことによる火災が発生したことが判明。同日10時55分時点ですでに消防士による消火活動により、鎮火したそうです。



その後、12時30分にはCloud Database Redis/MongoDB/RDS MySQL、OSS、OTSなどのクラウド製品の災害復旧が正常に完了したとのこと。しかし、14時40分に「影響を受けたデータセンターの火災状況は基本的に制御されていますが、施設内の温度は依然として高くなっています」とAlibaba Cloudは報告しています。

20時4分時点で火災警報は完全に解除されておらず、データセンター内の一部のネットワーク機器で高温環境による異常が発生していることが判明。そして9月11日1時46分に、Alibaba Cloudは「地元消防署の要請により、消火活動の放水が継続されているため、サーバールームに水がたまって漏水が発生し、電気ショートの危険が生じています」と述べ、Zone Cのサーバービルで電源の緊急遮断を行ったと報告しました。

データセンターの消火活動に当たったシンガポール民間防衛隊(SCDF)は地元メディアの報道で、「火災は4階建ての建物の3階にあるバッテリー室に保管されていたリチウムイオンバッテリーに関連していました。我々は鎮火するため、4門のジェット放水を行い、無人消防ロボットも動員しました」と語っています。

消火活動は丸1日続き、Alibaba Cloudのエンジニアは9月12日17時25分時点でようやくデータセンター1階エリアへのアクセスが許可されています。その後、ハードウェア設備の安全移行作業が行われているものの、9月16日15時時点でデータセンターの一部エリアは封鎖され、立ち入ることができない状態だとのこと。



Alibaba Cloudは「影響を受けたハードウェアと機械の一部は、建物内の立ち入りが禁止されている危険な封鎖エリアにあり、一部のハードウェアと機械はデータセキュリティを確保するために慎重に乾燥させる必要がある」と述べ、移行した機器についても慎重に乾燥を行ったあと、配線して電源を投入し、検証を行っているとしています。

シンガポールのデータセンターのステータスを確認すると、記事作成時点でも一部サービスでネットワーク障害が発生したままとなっています。

Alibaba Cloud Health Status

https://status.alibabacloud.com/#/?region=ap-southeast-1



なお、この火災の影響で、AlibabaのECプラットフォーム・LazadaやTikTokなど、Alibaba Cloudに依存する一部サービスに障害が発生したそうです。