「ショウヘイなら」“恩師”マッドンは投手・大谷の早期復帰に前向き 一方で中継ぎ起用の問題点も指摘「延長戦で彼を失う」

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大谷の二刀流覚醒を手助けしたマッドン。今季中の彼も投手復帰にポジティブな考えを示している。(C)Getty Images

 果たして、大谷翔平(ドジャース)を「投手」として抜擢すべきなのか。ポストシーズンが間近に迫り、偉才の起用法が小さくない議論となっている。

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 ドジャースの地元紙『Los Angeles Times』のコラムニストであるビル・プラシュケ氏が「オオタニは競争力のあるピッチングをする準備ができているはず」としてポストシーズン中にリリーフとして起用する仰天プランを提唱したのをキッカケに、今季中の“投手・大谷”の復帰論は巷の話題となった。

 もっとも、二刀流スターは大手術からのリハビリ途中にある。昨年9月に右肘に2度目のメスを入れた大谷は、今年8月31日にようやく捕手を座らせてのブルペン投球を始めたばかり。いまだ実戦復帰に向けた途上であり、10月から始まるポストシーズンでの実戦復帰となれば、ほぼぶっつけ本番となる。

 そうした現状もあり、大谷の復帰には慎重を期するべきだという声も尽きない。怪我人が相次いでいるドジャース投手陣が“火の車”であろうと、将来を考慮して偉才の負担を増やすべきではないと警鐘を鳴らす声もある。

 では、“名将”なら「復帰」というリスクを取るのか。エンゼルス時代に大谷が師事したジョー・マッドンは、MLB公式ネットワーク局『MLB Network』の番組内で賛否両論のあるテーマについて「ショウヘイが万全の状態で、とにかく健康で、投げるボールも良いという全ての条件が整っているならやる。ショウヘイはショウヘイだ。彼がいけるならやる」と明言した。

 エンゼルス着任時に、本人の意向に則って制限を設けない二刀流の起用法を確立させたマッドン。その進化を間近で見ていたからこそ、投手復帰に前向きで居られるのかもしれない。

 いわば大谷の「恩師」と言うべき名伯楽は一方でリリーフ起用する際の“問題点”も指摘している。

「DHからブルペンにどう行かせるかは私もよく分からない。ショウヘイをリリーフで使う場合が分からないんだ。もともとDHとして先発メンバーにいる彼を外すとなれば、その時点でもう使えなくなる。そうなった場合には彼を終盤からマウンドに立たせる場合も2〜3イニングは投げてもらう必要があって、これだと延長戦で彼を失うことになる。それは望ましくない。もしも、リリーフで使うなら、今以上に具体的に計画する必要性があるだろうね」

 周囲は投手としての復帰に前向きな声を上げるが、果たしてドジャース首脳陣、そして本人はいかなる決断を下すだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]