KIRITOが9月16日、恵比寿ザ・ガーデンホールにて<KIRITO Acoustic live 24'「Phantom VIII - CROSSING LINE -」>を開催した。<Phantom>は2022年より継続的に実施しているアコースティックシリーズ公演であり、その第8弾となるものだ。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆KIRITO 画像

サポートを務めるJOHN (G)と共に、アコースティックギターと歌のみというシンプルな編成によって、KIRITOの全キャリアの中から選曲されたメニューを展開していくのが<Phantom>公演のスタイルだ。中央には巨大なシャンデリア、左右にはビーズカーテンが柱のように位置する舞台に、KIRITOがオールブラックの装いで登場。「Enter the NEOPHASE」(Angelo)での幕開けから「CRUELWORLD」(Angelo)に至るまで全18曲の濃密なステージを繰り広げた。



11月13日リリース予定のニューアルバム『CROSS』を現在制作中のKIRITOだが、同公演のサブタイトルに<CROSSING LINE>とあることから、アルバムと何らかの関連性があるのではないかと推測していた人も少なくないだろう。結論から言えばセットリストは、わかりやすく新曲が披露されたわけでも、作品の全貌が明らかになったわけでもない。<CROSSING LINE>とは“境界線を越える”や“一線を越える”といった意味を持つ言葉であり、“挑戦”や“限界に挑む”というポジティヴな意味でも用いられる。この夜、最小限の音数の中で、より鮮明により真っ直ぐ届けられたメッセージはKIRITOの人生や決意であり、挑み続けてきた道のりを指し示すものでもあった。これこそがアルバム『CROSS』に繋がる要素なのかもしれない。

また、PIERROTの楽曲が並んだ本編中盤、「CHILD」の“強く響け僕の歌声よ行き場を無くした君のもと、届くように”というアカペラ歌唱は、これまでのステージでも見られた1シーンではあるものの、手からピックを離し、真っ直ぐにオーディエンスへ視線を向けて、力強く歌い上げた姿が印象的。また、「ただひたすら変わらない思いを貫いている人だと、ふとした時に思い出してください」と告げた後に披露された、本編ラストの「Crave to you」(Angelo)の“寄り添うように/痛み曝け出して いつだって唄っているから この場所で”という一節も忘れ難い1シーンとなった。



「時間と共にいろいろなことがありますから、楽しいこともあれば苦しいこともある。でも、時間って素敵なもので、もう何もかもダメだと思っても、時が経てば素晴らしいものになったりしますし。生きるって楽しいなと思います。必死な時期もありました。大事なものがなくなって、たくさんの大事な人を泣かせてしまいました。自分自身も大変だったけど、強がってでも皆さんに伝えなきゃいけないと、言葉から先に作っていきました。その時に100%自信があって言っていたわけじゃないんだよね。だけど、二度と悲しい思いはさせないと、また笑顔にさせると誓って。そうして時間が経てば、それが本当になりましたから。そんなキリトの悲壮、何が何でもという気持ちも入っているという、ちょっとした種明かしをして」──KIRITO

この発言はアンコール3曲目の「TEAR」を披露する直前のもの。実際、同曲歌詞には“あんな涙はもう二度と 自分や誰かに与えちゃいけないと”と綴られている。「TEAR」は2006年に発表されたものだが、この夜のアンコール1曲目であった2022年発表の「Storyteller」にも“何があろうと止まることだけはしなかった あの涙が何よりも辛かったから”とあり、彼の変わらない思いがここでも示される結果に。無論、そういった場面が随所にあることこそが、KIRITOがKIRITOたる所以とも言える。



ライヴは、“世界は残酷だが諦めない者には手を差し伸べるのだ”というこの世のリアルを描いた「CRUELWORLD」を急遽追加して終幕を迎えた。<Phantom>シリーズの次回公演は未定ながら、「普通のライヴにも来てくれて、アコースティックライヴにも来てくれる皆さん、特別愛おしいなぁ。ことさら<Phantom>シリーズに来てくれるあなたたちが…好きです」といったKIRITOの告白も付記しておきたい。

約2ヵ月後には待望のアルバム『CROSS』がリリースされる。「今回のアルバムは…すごいよ、本当に。KIRITOの色々な面が感じられると思います。KIRITOの血と汗と涙と深い傷、素晴らしい愛を感じてください」とのことだ。

■<KIRITO Acoustic live 24'「Phantom VIII - CROSSING LINE -」>9.16(月/祝)@東京・恵比寿 ザ・ガーデンホール

01. Enter the NEOPHASE
02. SIGHT
03. Beginning
04. BUTTERFLY
05. PRAY
06. Lotus bloom
07. Voice of the cradle
08. MOTHER scene II
09. CHILD
10. BIRTHDAY
11. 螺旋
12. 壊れていくこの世界で
13. I BLESS YOU
14. Crave to you
encore
en1. Storyteller
en2. EXIT
en3. TEAR
en4. CRUELWORLD

■<IRITO Tour 2024-2025「CROSS OVER THE TIME AXIS」>

▼2024年
11月16日(土) YOKOHAMA Bay Hall
open17:30 / start18:00
11月17日(日) YOKOHAMA Bay Hall
open16:30 / start17:00
11月24日(日) SUPERNOVA KAWASAKI
open17:00 / start17:30
11月25日(月) 恵比寿LIQUIDROOM
open18:30 / start19:00
12月03日(火) 仙台Rensa
open18:00 / start18:30
12月07日(土) 札幌PENNYLANE24
open17:00 / start17:30
12月14日(土) 福岡DRUM Be-1
open16:30 / start17:00
12月21日(土) 梅田CLUB QUATTRO
open16:45 / start17:30
12月22日(日) 名古屋ボトムライン
open16:30 / start17:00
12月25日(水) Spotify O-EAST(FC限定)
open18:15 / start19:00
▼2025年
01月05日(日) Spotify O-EAST
open17:15 / start18:00
01月06日(月) Spotify O-EAST
open18:15 / start19:00

▼ サポートメンバー
G.海(vistlip)、G.JOHN、B.Chiyu(SLAPSLY)、Dr.Hiroki(C-GATE)

▼チケット
一般料金:9,300円(ドリンク代別・税込)
ファンクラブ先行料金:8,800円(ドリンク代別・税込)
※スタンディング/指定席
※12/25 Spotify O-EAST(FC限定)公演に関しては全席指定公演
【HP最速先行受付】
受付期間:9/12(木)18:00〜9/23(月/祝)23:59
受付URL:https://eplus.jp/kirito24-25/

■アルバム『CROSS』

2024年11月13日発売
※10 Songs Include
※詳細は後日発表
●購入者特典
・タワーレコード全店(オンライン含む/一部店舗除く):ポストカード(タワーレコードver.)
・HMV全店(HMV&BOOKS online含む/一部店舗除く):ポストカード(HMV ver.)
・楽天ブックス:ポストカード(楽天ブックス ver.)
・セブンネットショッピング:トート型エコバッグ
・Amazon.co.jp:メガジャケット ※初回盤ご購入で初回盤デザイン、通常盤ご購入で通常盤デザイン

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