ソフトバンク・近藤健介(左)と栗原陵矢【写真:荒川祐史】

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 2024年のプロ野球もいよいよ佳境。パ・リーグはソフトバンクが優勝へのマジックナンバー「11」を灯しており、4年ぶりリーグ制覇へ歩を進めている。では、現時点で今年のシーズンMVPは誰が有力なのだろうか。打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標「WAR」の観点から検証してみる。(成績、数値は全て11日終了時点)

 セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータを参照した。まず、首位を独走するソフトバンクの選手を検証する。野手では31歳の近藤健介外野手が7.6。12球団を通じて断トツの数字だ。今季は打率.312、出塁率.437、OPS.960をマーク。初の首位打者へひた走っている。

 続くのは28歳の栗原陵矢内野手で5.3。こちらも12球団の2位だ。打撃だけではなく守備でも貢献する2選手の数値は高い。投手ではリバン・モイネロ投手が2.4でチームトップ。有原航平投手が1.9となっている。

 8ゲーム差で2位の日本ハムでは、万波中正外野手が3.5で1位。フランミル・レイエス外野手が2.3で2位だ。投手ではリーグ最多12勝の伊藤大海投手が2.5。貢献度も抜きんでている。

 3位・ロッテの貢献度No.1は、野手では岡大海外野手の2.8。投手では種市篤暉投手の3.4。種市の数値は12球団投手の中で3位だ。4位・楽天では早川隆久投手が12球団2位、リーグ1位の3.4。今季はリーグ3位タイの10勝、防御率は同2位の2.19をマークしている。最下位に沈む西武では、源田壮亮内野手が野手でリーグ5位の3.2。今井達也投手は2.7で同4位だった。

 日本のプロ野球ではリーグ優勝球団からMVPが選出されることが多い。成績も文句なしの近藤が初のMVPを受賞する可能性が極めて高いと言えるだろう。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。