iPhoneをデザインした男、最新作はモンクレールとのコラボボタン
iPhoneをデザインした男、ジョナサン・アイブ氏の最新作は、着脱式の高級アパレルです。
ジョナサン・アイブといえば、iPhone、iMac、iPodなど、数々の製品をデザインしたApple(アップル)の元最高デザイン責任者です。2019年にAppleを退職し、自身のクリエイティブコレクティブLoveFromを立ち上げました。
そんなLoveFromが、イタリアの高級アウトドアファッションブランドMoncler(モンクレール)と提携し、新しいアイテムを発表しました。
モジュール仕様。こだわりはボタンに
Moncore(モンコア)と呼ばれるベースの服に、ジャケットやパーカー、ポンチョを組み合わせるモジュール仕様。各衣服は1枚のリサイクルナイロンから作られています。通常の衣服は複数の布を継ぎ接ぎして作りますが、縫い目のないシンプルな作りにAppleぽさが漂う。
そしてこのモジュラーシステムを成り立たせているのが、今回の目玉「Duo button(デュオボタン)」です。磁石が内蔵されたこのボタンは、衣服同士を簡単に接続してくれるみたい。Moncoreに備わったボタンのベース部分と、その受け口となる衣服についたリングを重ねるとカチッとハマる仕組み。ボタンを押せば、簡単に外すことも可能です。
開発チームは、エレガントに、そしてシンプルに複数の衣服をつなげる方法を模索しました。ジッパーやマジックテープなどが検討される中、注目したのがボタンでした。
アパレル版のMagSafeみたいと思われそうですが、機能性、体験、見た目、すべてに対して徹底的にこだわり抜いた、新しいボタンのあり方かもしれません。
こだわりはどこへ向かうのか
開発にかけた期間は4年。「シンプルでエレガントなものを作りたかった」とアイブ氏。「既存のボタンを越えようとする野心があったわけではありません。非常に穏やかに、謙虚に探究を続けた結果です」と述べています。
2019年にAppleを離れて以来、一風変わったミニマルなデザインを手がけてきたアイブ氏。このジャケットもそんな流れを継いでいるようです。
最近では、チャールズ3世の戴冠式の王室の紋章をデザインし、OpenAIのCEOサム・アルトマンと協力して、何らかのAIウェアラブルハードウェアを開発しているともいわれています。さて、次はどんなデザインを生み出すのでしょうか?