iPhone 15 Proで撮影してると「もうコレで良いのでは?」となる。それが、悔しい
2023年12月14日の記事を編集して再掲載しています。
年間でシャッターを切る回数が増えそうです。
僕はスマホカメラでの撮影はほとんどしないタイプで、美味しそうな料理やキレイな風景と出会っても「これをスマホのカメラで残してもな〜」と思っていました。iPhone 15 Proで撮影するまでは。
常備カメラとして普段からリコーのGR3を持ち歩いているのですが、iPhone 15 Proを私物として購入してからはめっきり出番が減ってしまいました。理由はもちろん、iPhone 15 Proの画質に満足しているからです。これ僕的にはかなり、かなーり悔しい事案なんですよ…。
もっと厳密に言うなら「GR3などのAPS-C以上のデジカメを常備するカロリーに対して、iPhone 15 Proでカバーできる画質が自分の中で一定水準を超えた」という感覚です。
ぐだぐだ語っても仕方ありませんので、いくつか実例をお見せしましょう。断りがない限り、以下の写真はすべてiPhone 15 Proで撮影しています。
荷物を減らしたいアウトドア環境のベストアンサー
11月の秋キャンプに行ってきました。普段であれば何かしらのデジカメを持って行ってるのですが、僕は電車と徒歩で現地に向かうので本来なら荷物は極力減らしたい。実際、カメラは相当な負担になっていました。
結論を言いますと、もうアウトドアにカメラは持っていかなくて良いかなって。なぜならiPhone 15 Proがあるから…!
さきほどのような広角も、奥行き感を出したい望遠気味の寄りカットも、iPhoneでOK。撮影には純正のカメラアプリを使ってます。
久しぶりにiPhoneのカメラを使っていて発見したことがひとつ。シャッターボタンを押した前後を短い動画として撮影するLive Photo機能あるじゃないですか。普段はヘイトを集め気味なこの機能も…。
「ファイヤースターターの火花が出る瞬間」のような、一瞬を切り取るには便利だなって。わざわざこの撮影のために動画撮影に切り替えるのはちょいと大仰だけど、Live Photoで撮影してあとで好きなシーンを切り抜くといった使い方なら、大した手間にもなりません。
焚き火の撮影はデジカメだとかなりシビアで、ISOやシャッター時間などの設定を追い込む必要がありました。が、iPhoneなら一発でこれくらい撮れます。良いバランスじゃないですか。
露出をグっと下げれば熾火の色も自然になるし(デジカメで撮るとこうしたアンダーな絵に感じになりがち)。
露出を上げてやるとパッキリした見え方に。この写真ではISO500まで上がっており、さすがにノイズが目立ってますね。
美しいと思える写真が欲しいなら、やはり光量は欲しいところ。極端な話、十分な光量さえあればiPhoneで撮影した写真でも「良いじゃん!」と思える基準は満たせると感じました。やはり写真は光がすべて…。
実際問題、ソロキャンプだとじっくりカメラを構える時間はそれほどありません(カメラを置くスペースを確保するのも一苦労)。カメラを持っていく労力に対してのリターンがそれほどないなとと常々思っていましたが、もうiPhoneでOKだなと感じましたね。次からはカメラのスペースに食料でも詰めていこうかな。
Lightroomの新機能+RAW撮影=これスマホの絵!?
次の事例は、Adobeの写真編集ソフトLightroomとの併用について。今年10月に新機能が追加されたのですが、これがまたスマホ写真との相性抜群なんです。むしろこの機能があるからスマホでの写真を楽しんでみようと思い始めたまである。
例えばiPhoneで撮影したこんな写真があるとします。年季が入った美しいミルクピッチャーです。
iPhone版のLightroomを開き、新機能の「ぼかし(レンズ)」を適用します。PC(Mac)版のLightroomとプリセットを共有できるので、適当なプリセットも当てておきましょうか。
ものの1分程度で、さっきの写真がこうなりました。「ぼかし(レンズ)」はAIを活用したぼかし機能で、写真加工アプリにありがちなわざとらしいボケ加工とは一線を画す実用性があるのが特徴。奥のボケなんて大口径レンズで撮影したかのような自然さがある…。
見下ろし気味の写真でも、それなりにリアルな奥行きを作り出せます。深度をオーバーレイするとどこを焦点としてるかが見えるのですが、本来ならパスタ手前の部分も前ボケとしてボケておかねばなりません。厳密な被写界深度のシミュレートはまだ難しいですね。
実際にスマホカメラとデジカメとで、ピント範囲にどれほど違いがあるのか比較してみましょう。こちらはiPhoneで撮影したオムライス。
Lightroomの「ぼかし(レンズ)」で深度オーバーレイをオンにして、焦点を手動で操作してみます。お皿の奥と手前を前ボケ・後ろボケとしたいのですが、そのようなポイントはみつかりませんね。
同じものをGR3で撮影しました。パセリにピントが合っており、手前の白いソースと奥のオム部分はすでにボケ初めています。お皿の前後も自然にボケており、ピント面が撮像面に対して並行になっている証拠といえます。
Q. じゃあ完全なボケのシミュレートはできてないよね。それでもiPhoneの写真で満足しちゃって良いの?
A. iPhoneだけでこんだけできれば充分っすわ。
「普段の写真」の質が、確実に上がる
そもそもiPhoneをデジカメの代替として語る必要はなく、ここでデジカメと比較して語っているのは、普段からデジカメを持ち歩く労力とiPhoneでカバーできる絵を天秤にかけた結果次第では、デジカメ持っていかなくても良いよねって場面があるから。
その場面が、iPhone 15 Proはとても多い→GR3をの出番が減った→僕はGR3が大好き→だから、悔しいッ!
休日に動物園に撮影に行くような場面ではデジカメを持っていきますが、そのクラスの機材を普段から持ち歩けるかと言われればそりゃ厳しい。それに平時ならいっそ荷物は極力少ない方に振るパターンもあるわけで、その方が休日そのものを楽しむことができる。
それに、iPhoneでサッと撮った写真であっても、RAW+Lightroomでかなり本格的に追い込むプランもなくはないわけで。このサブプランがあるおかげで、本気撮りの気配を完全に失わずにいられるってとこも大きいです。特に料理写真は光と画角に気を配っておけば、後ほどかなり良い感じにできます。ご飯の思い出が捗る。
いやらしい言い換えをするなら、重いデジカメを持ち出さずに済む言い訳になってるんですよねコレ…。だからこそ悔しいって感情があるし、そこまでiPhoneのカメラが進化した事実にヤられてるところもある。フェアに画質で判断した結果、iPhoneで良い場面が増えた。悔しいけど、楽しいんだわ。