【英国王室とランドローバーの歴史】 エリザベス2世女王陛下が使用「レンジローバー」/「ディフェンダー」特別展示
英国ゲイドン発
ランドローバー・クラシックは、今年のペブルビーチ・コンクール・デレガンスで、エリザベス2世女王陛下が使用した「レンジローバー」と「ディフェンダー」の特別展示を行い、モントレー・カー・ウィークにおいて多くの人の心に残る企画となったと発表した。
【画像】イベントの様子をレンジローバー/ディフェンダーの写真を詰め合わせ 全138枚
また、英国が誇るレンジローバーとディフェンダーの両ブランドが、カリフォルニア半島で毎年開催される権威あるモーター・ライフスタイル・イベントにも参加した。
英国王室とランドローバー。
コレクションの各車両は、ランドローバーが誕生した1948年から続くJLRと英国王室との長い関係に基づき、英国王室によって公用車として、またはプライベート車両の一部として使用されていたものであるという。
1954年の「ランドローバー・シリーズ1」から2009年の「レンジローバー」までの歴史的な車両と、特別に依頼された6台の公式行事用車両が、英国王室のプライベート・コレクション、ランドローバー・クラシック、大英自動車博物館、個人のコレクションから惜しみなく提供されたとアナウンスされた。
イベントと関係者のコメントJLRのチーフ・コマーシャル・オフィサー レナード・ホーニック
「過去80年間にわたり英国王室に忠実に仕えてきた、レンジローバーとディフェンダーの両ブランドの歴史に名を刻む特別な名車のコレクションに対して、熱狂的な反応が寄せられたことはすばらしいことです。
このように盛大で世界的に有名なイベントにおいて、世界で最も希少かつ魅力的で、貴重なクラシックカーが一堂に会するのを見ることができるのは、一生に一度の出来事と言えます。女王陛下に敬意を表し、このような形で王室との継続的なつながりを示すことができ、大きな誇りです」と述べた。
ペブルビーチ・コンクール・デレガンス会長 サンドラ・バトン
英国王室とランドローバー。
「このようなすばらしい車両をペブルビーチ・コンクール・デレガンスにお迎えできたことを大変嬉しく思います。
10台の『ランドローバー』と『レンジローバー』がザ・ロッジ・アット・ペブルビーチの正面玄関を通り過ぎ、ペブルビーチ・ゴルフリンクスの有名なフェアウェイに乗り入れるのを見ることができ、大変光栄でした。
観衆の皆さんは驚き、喜んでいました。その日の後半の表彰式で、車両がショータラップをパレードする光景はとても印象的で、大きな拍手がおこりました」と語った。
このロイヤルカーは、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスの不朽の伝統であるハガティ主催のペブルビーチ・ドーン・パトロールで公式デビューを飾り、また、ジャガー・ダイムラー・ヘリテージ・トラストの1954年型ジャガー「Dタイプ」プロトタイプもフェアウェイに登場した。
大成功を収めたスポーツレーシングカーの70周年を記念して、3.4L XKエンジンを搭載した「Dタイプ」プロトタイプは、ロレックス・モントレー・モータースポーツ・リユニオンの期間中、ラグナセカサーキットでもデモ走行を行った。
ペブルビーチ・コンクール・デレガンスでの歴史的な発表に先立ち、レンジローバー・ハウスで特別に招待されたゲスト立ち会いのもと、17台限定の「2024レンジローバーSVカーメルエディション」(ロングホイールベース)がお披露目された。
今年の「カーメルエディション」は、カーメル周辺の息を呑むような海岸道路沿いの緑豊かな森林と、絵のように美しい海に面した断崖の風景からインスピレーションを得たものだという。
ビスポークのサテングリーンのエクステリア、セコイアグリーンとペルリーノのインテリア、カラーマッチしたホイール、24Kゴールドのアクセントが付いたブラックメタルのバッジが特徴となった。
またハイパフォーマンスモデル「レンジローバー・スポーツSVエディション2」も世界初公開されている。
ロイヤル・ランドローバー展示車両詳細1954ランドローバー・シリーズ1ステート・レビュー
初代「ステート・レビュー・ランドローバー」は専用設計のリアプラットフォームが特徴で、エリザベス2世女王陛下とエディンバラ公爵フィリップ殿下による6か月のイギリス連邦周遊の際に使用された。
この特別な車両は、その訪問のためにオーストラリアに送られ、現在はアメリカの個人コレクターが管理している。
1954ランドローバー・シリーズ1(NXN1)
英国王室とランドローバー。
元々はジョージ6世国王陛下によって注文されましたが、エリザベス2世女王陛下やその他の王室メンバーによってバルモラル城で使用された。2010年にレストアされ、現在はランドローバー・クラシックコレクションに収蔵されている。
1958ランドローバー・シリーズ2ステート・レビュー
2台目の公式式典用ランドローバー車両で、青いサイドライトレンズが特徴だ。このライトは、王室メンバーが乗車し移動される際は、必ず点灯していた。
パレードに参加したこの車両は予備車両であったため、走行距離は約2万1000kmと少なく、ゲイドンにある大英自動車博物館に王室コレクションとして収蔵されている。
1966ランドローバー・シリーズ2Aステーションワゴン(JYV1D)
エリザベス2世女王陛下が自ら運転していた、初めて6気筒エンジンを搭載したステーションワゴン。
また、英国王室御用達の車両にふさわしい、レザーシート、木製ドッグガード、サイドステップなどの特別な装備も多数備えており、現在は、ゲイドンにある大英自動車博物館に王室コレクションとして収蔵されている。
1974レンジローバー・ステート・レビュー
王室の公式行事に初めて採用された「レンジローバー」で、1975年から2002年まで使用された。特別に改造された後部には、折り畳み式のシートと、傘を内蔵した聖書台が装備されている。
王室メンバーの移動に使用されることを考慮し、V8エンジンのエグゾーストにはサイレンサーを追加し、排気音を最小限に抑えている。現在は、ゲイドンにある大英自動車博物館の王室コレクションに収蔵されている。
1990レンジローバー・ステート・レビュー
3台目の「レンジローバー・ステート・レビュー」は、エリザベス2世女王陛下が1994年のクリスマスカードに選んだ画像に登場している。
この写真には、女王陛下とエディンバラ公爵フィリップ殿下がノルマンディ上陸作戦50周年記念式典に出席している様子が写っており、この車両は、大英自動車博物館に収蔵されている。
1996レンジローバー・ステート・レビュー
ランドローバー・スペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)が提供した4台目の公式行事用の車両であり、1990年に登場した従来の「ステート1レンジローバー」に代わるもの。カスタマイズされた後部プラットフォームには、他の公用車と同様、通常の2席ではなく、4席の折りたたみ式シートを装備する。
2005レンジローバー・ステート・レビュー
この公式行事用「レンジローバー」は、2016年のエリザベス2世女王陛下の90歳の誕生日パレードで、当時のケンブリッジ公爵夫妻(ウィリアム王子とキャサリン妃)とハリー王子の移動に使用されたことでも有名だ。
1983ディフェンダー110 V8(A444RYV)
エリザベス2世女王陛下が、サンドリンガム邸で使用していた個人用車両。プライベート・ロイヤル・コレクションであり、女王陛下の意向により、現在でも王室車両として使用されている。
2009レンジローバー(CK58 NPJ)
王室車両のなかでもエリザベス2世女王陛下のお気に入りのモデルで、この「レンジローバー」のステアリングを握られている女王陛下の写真が数多く残されている。ボンネットを飾っていた有名なラブラドールのマスコットは、保管のために取り外されている。