会心の45号弾で“50-50”に再び前進 大谷翔平の快進撃にド軍カーショウがMVPの価値を主張「何が最も貴重かを網羅するべきだ」

写真拡大 (全2枚)

確信めいた一発で球場を熱狂させた大谷。その活躍は同僚たちの心を刺激する。(C)Getty Images

 史上初の偉業に、大谷翔平(ドジャース)がまた一歩前進した。

 現地時間9月6日に本拠地で行われた本拠地で行われたガーディアンズ戦に大谷は「1番・指名打者」で先発出場。6回の第3打席で5試合ぶりの45号を放ち、史上初の「45本塁打&45盗塁(※盗塁数は46)」に到達した。打点も2021年に並ぶ自己最多の100とし、リーグトップに並んだ。

【動画】センターへ豪快弾!大谷翔平が45号本塁打で「45‐46」達成の瞬間

 打った瞬間の会心弾だった。1点を追う6回1死無塁で打席に立った背番号17は、相手左腕マシュー・ボイドが投じた88.8マイル(約142.9キロ)のシンカーを捉えた。ジャストミートした大谷は、センター方向に延びていった打球の行方を見やりながら一塁に走り出した。

 前人未到の「50本塁打・50盗塁」達成に前進した大谷。レギュラーシーズンが佳境を迎える中でのエキサイティングな活躍は、MVPを巡る議論が活発化させる。

 もっとも、金字塔を打ち立てるインパクトある活躍を見せてもなお、大谷の受賞に異を唱える声は小さくない。それは彼がいわゆる「打者専任」のDHであるためで、現時点の“ライバル”と見られているフランシスコ・リンドーア(メッツ)との比較では「あのDH(大谷)が4打数無安打ではチームは勝つことができない」(元メッツ指揮官バック・ショーウォルター氏談)と語られるほどだ。

 ただ、ドジャースの名だたるスターたちは大谷の“舞台裏”での努力も目にし、MVP獲得が揺るぎないものであると主張している。地元紙『Orange County Register』が同僚たちの声をまとめている。

 開幕から大谷と1・2番コンビを組んできたムーキー・ベッツは、「賛成しているわけじゃない。でも、彼がしていることはこれまで誰もやっていないことなんだ。」と指摘。「攻撃でも、守備でも、チームを助ける最高の選手がMVPだと思う。最も価値ある選手さ。そこに正解も間違いもない。ただ、彼がいなかったら僕らは今の順位にいないことは確かだ」と強調した。

 そんなベッツよりも強い口調で大谷の“価値”を説いたのは、MLB通算212勝のクレイトン・カーショウだ。百戦錬磨のベテラン左腕は、こう訴えかけている。

「MVPは何が最も貴重かを全て網羅するべきだと思う。もちろん、守備もその一部を成すべきだ。だけど、今年のショウヘイのようにあれだけ攻撃面がずば抜けていて、他の選手より“貴重な”選手のであれば、DHだろうと選出されてもいいと思う」

 歴史的記録を打ち立て続け、偉業に迫る大谷は、同僚たちが推挙するようにMVPを手にできるのか。その行方に関心が高まっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]