紫苑Sに出走予定のミアネーロ(撮影:下野雄規)

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 上位3頭までに秋華賞への優先出走権が付与される重要なステップレースで、昨年からGII競走に格上げされている。過去10年で、このレースから秋華賞へと挑んだ馬は4勝を挙げており、本番を占う意味でも見逃せないレースだ。舞台となる中山2000mは、スタート直後とゴール前に急坂が待ち受ける難コース。馬齢重量戦でもあり、基本的には実力馬に有利な舞台設定となっている。

 ◎ミアネーロはフラワーC優勝馬。昨年秋、中山競馬場芝1800mコースのデビュー戦はやや若さを見せながらも最後まで闘争心を失わずに初勝利を記録。続く菜の花賞は最後の直線で伸びかけたところで前が塞がり参考外。オークスは1枠1番から真っ向勝負を挑んだが母ミスエーニョはデルマーデビュータントS優勝馬で、ファンタジーSに勝ったミスエルテの半妹という血統からも少々長かったかもしれない。

 〇ボンドガールはクイーンS2着馬。昨年秋に東京競馬場芝1600m新馬戦で、のちのオークス馬チェルヴィニアを破って勝利したあとは重賞競走に4度挑戦するも2着3回。最後の直線で大きな不利を受けてジョッキーが無理をしなかったNHKマイルC以外は連対を外していない。今回は2度の坂越を含む2000mの距離に対する適性がポイントになりそうだ。

 ▲クリスマスパレードは水仙賞含め中山競馬場で2戦2勝。その水仙賞も強かったが、2000mのデビュー戦は前半1000m通過61.0秒のハイペースを2番手で追走し、直線入り口で先頭に立つと、最後は急坂をものともせずに12.1秒、11.8秒の加速ラップでマークした2分0秒7にも驚かされた。フローラSはどこか集中力を欠いたような競馬になって実力を出し切れなかったようだ。ダートの関東オークスは度外視して注目したい1頭だ。

 △エラトーは函館競馬場の遊楽部特別、北海HCを連勝してきた。未勝利戦を勝った直後に挑んだチューリップ賞は9着だったが、1800m以上の距離ならば[3-1-1-0]。この距離で見直したい。

 フラワーC2着の△ホーエリートも大きな差はない印象で見限れない。