FC東京がJリーグへ意見書を提出(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】

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クラブが公式発表

 FC東京は9月5日、8月31日に行われたJ1リーグ第29節サンフレッチェ広島戦(2-3)においてJリーグ側に意見書を提出した。

 台風10号の影響による開催可否判断基準が不明確であったことに対して、今後の運用改善に向けた内容となっている。エディオンピースウイングスタジアム広島で開催されたが、新幹線が運転見合わせになるなど選手の移動が困難な事象が生じていた。

 FC東京は8月29日、アウェーで行われる予定だった広島へ向け出発も台風10号の接近により新幹線が運転見合わせに。車内で長時間の“缶詰め”状態を余儀なくされた。静岡で宿泊後、一旦帰京。試合の開催が濃厚だったため、チームは試合当日に航空便で近県の空港に到着した。

 クラブはまず「今回の問題と捉えていること」と題し、「試合の実施/中止の判断において、考慮されるべき事柄が軽視されていたこと」「Jリーグが試合の開催可否を判断する権限を持っているが、判断基準や判断日時を明示せず、実施/中止の判断やその対応において、ホームチームとアウェーチームとも振り回されたこと」という2つの点を挙げた。

 これに対する、クラブの要望は「試合の当日までの実施/中止の判断において、より明確な判断基準や判断日時を定めたうえで、Jリーグが主導的に運用に取り組むこと」「その判断基準については、ホームチーム、アウェーチームの一定水準の公平性の確保を重視し、特にJリーグがめざす、ピッチ上で最高の作品を見せるためにも、選手ファーストで策定すること。選手を含むチーム、そしてファン・サポーターの安全面の確保を考慮すること」と主張している。

 クラブ公式サイトが発表した声明全文は以下のとおり。

【今回の問題と捉えていること】
(1)「試合の実施/中止の判断において、考慮されるべき事柄が軽視されていたこと」
■事故等に巻き込まれたアウェーチーム選手への影響
「天災による移動時に生じた交通機関停止については不可抗力であり、事故と同様である。今回のケースではこれによって選手の健康状態を大きく損なう形となった。ホーム/アウェーチームの公平性を一定確保すべきであり、特に選手の怪我、故障のリスクが著しく高まる状況下での試合は避けるべきであった」

■アウェイチームファン・サポーターの安全面の確保
「当クラブのヒアリングでは、当節における他の試合の中止(台風10号の影響により5試合が中止)の理由に、アウェーチームのファン・サポーターの移動の困難さや、安全面の確保が考慮されたケースもある。若干状況が異なるとはいえ、当該試合においてもアウェーチームのファン・サポーターにおいて台風の影響があり、考慮されるべきだった」

(2)「Jリーグが試合の開催可否を判断する権限を持っているが、判断基準や判断日時を明示せず、実施/中止の判断やその対応において、ホームチームとアウェーチームとも振り回されたこと」

「明確な判断基準や判断のデッドライン等を示さなければ、刻々と状況が変化する側にあるチーム、今回のケースで言えば、アウェーチーム側が全て対応に追われ続けることになる。Jリーグが積極的に状況を把握し、適切な時期に判断を下すべきであった」

【要望】
「Jリーグ規約第62条2項(1)に「天災地変、公共交通機関不通等」の場合の実施/中止の判断はチェアマンが行うものとされているが、その規定の運用は曖昧である。よって、以下のように要望する」

■試合の当日までの実施/中止の判断において、より明確な判断基準や判断日時を定めたうえで、Jリーグが主導的に運用に取り組むこと。

■その判断基準については、ホームチーム、アウェーチームの一定水準の公平性の確保を重視し、特にJリーグがめざす、ピッチ上で最高の作品を見せるためにも、選手ファーストで策定すること。選手を含むチーム、そしてファン・サポーターの安全面の確保を考慮すること。(FOOTBALL ZONE編集部)