訪日客向けの「二重価格に賛成」約7割…「料金差・使用目的が明確」であることで納得できる
約7割が訪日客向けの二重価格に「賛成」――そんな調査結果が、共通ポイントサービス『Pontaリサーチ』を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティング(東京都渋谷区)による「訪日客向けの二重価格」に関する調査でわかりました。では、どのような情報があれば国内の二重価格に納得できるのでしょうか。
調査は、国内在住の10〜60代の同サービス会員1200人を対象として、2024年7月にインターネットで実施されました。
まず、訪日観光客向けに商品やサービスの価格を国内居住者向けより高く設定する「二重価格」の認知率を調べたところ、「知っている」(36.2%)と「聞いたことがある気がする」(25.8%)を合わせた認知率は、24年2月調査の42.2%から19.8ポイント上昇し62.0%となりました。
また、二重価格が設定される場合の賛否については、全体の69.5%が「賛成」(賛成40.9%、やや賛成28.6%)と回答し、24年2月調査の58.3%から11.2ポイント上昇しました。
「賛成派」の自由回答では、「自身が海外に旅行したときに似たような経験をしたので、日本で訪日客向けの料金設定がされるのは至って普通かなと思う」(20代女性)、「オーバーツーリズム対策の一環になってほしい」(60代男性)といった意見のほか、「円安だから」という声も多く聞かれました。
一方、「反対派」(賛成できない11.9%、あまり賛成できない18.6%)は30.5%となり、「日本のおもてなし精神への評価が下がりそうで嫌」(10代女性)、「せっかく来てくれた観光客に対し失礼な感じがする」(20代男性)、「在留資格のある人との判別業務が煩雑になる(60代男性)といった意見のほか、「差別」「不平等」という声が多く挙がりました。
続けて、「国内で二重価格が許容できる場所」を尋ねたところ、「文化施設(博物館、歴史的建造物)」(55.1%)や「自然保護区(国立公園、動植物園)」(52.9%)で半数を超えたほか、「飲食店」(27.8%)、「交通機関(電車、バス)」(22.7%)といった回答は3割未満でした。
一方、いずれの場所も「許容できない」(23.2%)は2割強にとどまり、特定の場所において二重価格を許容する考えが8割に迫る結果となりました。
では、どのような情報があれば国内の二重価格に納得できるのでしょうか。この質問に対しては、「料金差の基準が明確であること」(58.2%)や「使用目的が明確であること」(52.4%)に回答が集まったほか、「使用される資金の透明性」(36.2%)という意見も挙げられました。
最後に、「二重価格のメリットとデメリット」を尋ねたところ、メリットとしては「観光資源の維持管理」(49.3%)、「経済的負担の軽減」(40.8%)、「国内観光客の利便性向上」(32.9%)などが上位に並びました。
一方、デメリットでは「差別的な印象を与える」(36.2%)、「国際的な評判の低下」(17.0%)などの意見が挙げられたものの、最も多かった回答は「特になし」(45.8%)となりました。
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【出典】
▽「Pontaリサーチ」調べ