Image: Artem Golub - Gizmodo US

ちっちゃいのにパワフル。

「MacBookくらいコンパクトでありながら、ゲームもできる仕事用PC」を探しているなら、見逃せないのがASUS TUF Gaming A14です。

こんなに小さいと普通はパワー不足で、負荷の高いコーディングも3Dモデリングもできないし、仕事の合間にこっそり『ヴァロラント』を遊んだりもできないもの。でも、ASUS TUF Gaming A14は違います。プロセッサーはIntel(インテル)Meteor Lakeシリーズを軽く凌駕するAMD Ryzen 9 AI HX 370なので、無駄を排したスリムボディの割にはパワーがモリモリなのです。

アップグレードできないし、選べる構成は限られていますが、高い処理性能にはこうした弱点を補って余りある魅力があります。

ゲーミングノートというよりは、ウルトラブックに近いイメージで、重量たったの1.46kg程度。キーボードのバックライトは光るけど、派手すぎなくて抑えめです。高負荷のときも静かだし、グラフィックが重いゲームもそこそこのフレームレートでプレイできます。

Asus TUF Gaming A14

▪️これは何?

安くて小さい割には驚くほどパワフルなゲーミングノートPC

▪️価格

24万9800円から

▪️好きなところ

・浅いのに確かな打鍵感が得られるキーボード

・ベンチもゲームも余裕の処理性能

▪️好きじゃないところ

・バッテリー持ち。非ゲーム時で4時間しか持たない

・画面はもう少し明るいのが好みかな

・メモリをアプグレできないこと。「最大32GB」とありますが、今回届いたレビュー機は最大16GB固定でした

タフで高級感ある設計

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「TUF」という名の通りタフ。アルミのフレームは手や指で押しても曲がらないし、パームレストもしっかりしてて、熱を帯びることが全然ありません。傷だらけになっても完璧に動作するタイプのPCという印象です。

重さ約1.46kg。簡単に持ち運べて、小型のかばんにもスッポリ収まるコンパクトサイズ。

ベタベタの手で触ると内側には指紋が残るけど、カバーはきれいなままです。これには驚きました。

キーボードのキーは確かな重みがあって、安っぽさゼロ。メカニカルキーボードと錯覚するほどじゃないけど、押し下したときのキーストロークも十分あります。

トラックパッドもクオリティ高くて、スケートリンクみたいに滑らかでもなければ、凸凹の舗装道みたいでもない感じですが、少なくとも僕の中サイズの手で使って誤作動することは、1度もありませんでした。

ポートは日常使いで困ることはないくらい揃ってて、ゲーム用にも仕事用にもいけます。USB-Aが2つ、USB-Cが2つ(充電用は1つだけ)、あとはHDMI 2.1が1つと外付けmicroSDカード用スロットが1つ。

省電モードでは静かですが、ターボモードにすると音は出ます。静かな部屋では周囲の視線を感じるくらい。まあ、PCの表面が熱くなることはないんですが、ゲーム使用時には冷却ファンが回ってボトムから風が出てくるので、ベッドで膝の上に置いてプレイするときには少しイヤかな。

画面は14インチのIPS LCD、リフレッシュレートは最大165Hz。これで十分ですが、解像度2,560×1,600なので、もう数万円上乗せして買えるノートPCの高品位なビジュアルと比べると、見劣りしちゃうかもしれません。

ピーク輝度はまあまあ明るい236ニト。バジェットノートでは想定圏内だし、直射日光が画面に差しこむときを除けば困ることはありません。

唯一の不満はメモリをアプグレできないこと。でもまあ、SSD用スロットは2つ付いてくるので、足りなくなるのが心配なら1TBのSSDに換装したりはできますよ。

安定したフレームレートで大半のゲームに対応

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テストしてみた限りでは、本機のAMDのStrix Point CPUとGeForce RTX 40シリーズという構成は、かなり強力な組み合わせといえそうです。部内のあらゆるベンチマークで、Ryzen 9 AI HX 370はIntel Core Ultra 7 155Hに楽勝で、Microsoft(マイクロソフト)のAI Copilot+ PCにも搭載されているARMベースのSnapdragon X Eliteに匹敵する処理性能を示しています。

Geekbench 6のベンチ結果は、Dell XPS 14など搭載のIntel Core Ultra 7 155Hに対して、シングルコアで500ポイント以上、マルチコアでは1,000ポイント近く差をつけていますし、Cinebenchのベンチ結果も大体一緒で、Intelの中価格ノートPC用プロセッサーにだいぶ差をつけています。あと数カ月で発売になるIntel Lunar Lakeと比べてどうかは不明ですが、今の段階ではAMDの小型PC用x64プロセッサーの圧勝です。

Blenderのベンチマークでは、BMWのシーンのレンダリングがたったの2分15秒で完了。Intel Core Ultra 7より1分以上処理が早いんです。

4Kムービーを1,080pに変換するHandbrakeのテストでは、M3搭載MacBook Airより処理に時間かかりましたけどね。

それでも日常業務はサクサクこなせるし、ゲーミングPCとしても十分使えるPCです。もっと高いプロセッサーのノートにはさすがに敵わないけど、高設定で電源つないでゲームのベンチマークをやっても、TUF A14はプレイに支障が出ない程度のフレームレートが出るんですよ。

『サイバーパンク2077』プレイ時には、低めのレイトレーシングに設定して36FPS、DLSS有効だと60FPS近くまでいけます。 『アサシン クリード ヴァルハラ』は超高解像度の設定で93FPS。『バルダーズ・ゲート3』の屋内シーンではDLSSを無効にして高設定・ウルトラ設定で70FPS、第1章の屋外シーンで50FPS。第3章の市街のシーンでも40弱で、 DLSSの設定を「クオリティ優先」にすれば50FPSを安定的にキープできます。

新しめのタイトルも何本かやってみましたが、高設定で60FPSという感じでした。『黒神話:悟空』プレイ時にはArmoury CrateでTurboモードのフレーム生成機能を使わなくても、ユニバーサル高設定でかなりのフレームレート。もっと静かなパフォーマンスモードに切り替えると、DLSSを有効にしてフレーム生成機能を使う必要はありますが。

『Horizon: Forbidden West』みたいなゲームでは、Armoury CrateのパフォーマンスモードでもDLSS有効で60FPSまで出ました。特に何もしなくても。

バッテリー持ちは平均レベル

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電力食いのゲーミングPCにバッテリー持ちを期待するのは酷なもの。一番高い機種でもそれは同じだし、その点はTUF A14も例外ではありません。まあ、価格を考えたら当然そうなるかな。

バッテリーは73Wh。電源を差し込まずに2時間以上プレイする人もいないと思いますが、通常使用時にも電源は必須かもしれません。

Armoury Crateの設定を「バランスドモード」にして、Windowsで普通に使ってもバッテリーは4時間がやっと。ウェブ閲覧、ライティング、ビデオコールを受けるといったタスクでこれですよ。1時間に大体25%ずつ着々と減っていくんで、あまりの安定感にむしろ感心しました。

もっと負荷のかかるタスクではさらに減りは早いです。残念だけどゲーミングノートPCあるあるですかね。ましてやこの製品は仕事用も兼ねているので。

『サイバーパンク2077』みたいなゲームのときには、パフォーマンスモードに切り替えて、多少駆動時間が伸びれば御の字です。

なにせこのサイズです。限界ありますよ。どうしてもバッテリー持ちに関して譲れない人は、もっと高いモデルを買うか、14インチ以上のデカいPCを買うかでしょう。

とりあえず必要なことは全部できます

Alienware m16 R2みたいな大きめのゲーミングPCも、「ステルスモード」にすればRGBのバックライトが消えて音も静かになる今日このごろですが、Alienwareの場合、ロゴがデーンと出ているので周りにはゲーミングPCってわかっちゃいますよね。

その点、TUF Gaming A14は、地味なのに中身がビーストで、本当に何やらせてもシレっとこなしてくれます。後ろから見たら4つのちっちゃなLEDライトが点滅してるからそれとわかるけど、本当にステルスでありまして、「TUF」のロゴもバックプレートに隠れていて、直射日光が当たらないと読めなかったりします。

1,500ドルでこの内容なら「強敵現る」ですけど、もう少し予算を弾めば、ASUSのROGシリーズにはもっとデザイン性の高い機種もいろいろ揃ってます。

A14はRAM容量やバッテリー駆動時間に限りがあるので、仕事用に買う人は電源がそばにある環境が必須です。あと講義中にゲーム…いや、ノート取りまくる人は、忘れずにファン回転速度を下げましょうね。

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